ヴィッセル神戸が、再び最下位に転落した。敵地で行われたリーグ戦の第14節は、湘南相手に1-2で敗戦。勝ち点「7」同士で迎えた“裏天王山”を落とした。

終了間際にはMFイニエスタのゴールが幻となり、神戸の選手たちが「ブチ切れ」て、主審に詰め寄る場面もあった。これで、14試合を終え1勝9敗4分け。18クラブ中、唯一の1勝チームとなった。

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選手たちは、神妙な面持ちで帰りのバスに次々と乗り込んだ。下を向く者、何度も首をかしげる者…。再びの最下位転落。神戸の今がそこにあった。ロティーナ監督は「ダメージが大きい」と渋い表情。DF酒井は「執念のところで負けた。全てをかけないといけないチームに見えたかと言ったら、そうではなかった」。厳しい表情で、言葉を吐きだした。

敵地での裏天王山は「神の手」に救われなかった。0-0の前半23分は、イニエスタからの縦パスに、武藤が落とし、走り込んだ汰木がネットを揺らしたが、ハンドの判定となった。1-2の後半ロスタイムは、敵陣のペナルティーエリア手前中央のFKをイニエスタが決めたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で、武藤のハンドの判定。劇的な同点弾とはならず、MF大崎が主審に詰め寄り、普段は冷静なイニエスタも表情を曇らせ、主審に抗議した。酒井は「不服なところはあるが、負けたことが事実で認めないといけない」と言った。

リーグ戦14試合を終え、1勝9敗4分け。全18クラブ中、唯一の1勝のチームとなった。勝ち点も、唯一の1桁台。酒井が「走ること、戦うことは誰にでもできる。湘南がどこで勝ったかというとそこ。球際のところで熱量が足りない。もちろん僕もそうですけど、誰もいいプレーをしていなかった。みんなが、僕のこの発言を聞いて考え直すべき」と言えば、DF菊池も「(酒井が)言っていることが全て」と深くうなずいた。FW大迫ら負傷者が相次いでいる中、試練は続く。【栗田尚樹】

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