ヴィッセル神戸にニューヒーローが誕生した。

入団3年目のDF山川哲史(24)が前半17分、MFイニエスタの右CKからこぼれたところを、右足を振り抜き、豪快なミドルシュートで先制点を決めた。

これが記念すべき、通算45試合目でJ1初得点になり「たまたま、目の前にきた。空振りしないように、当てにいった。スリッピーなピッチでうまく転がってくれた」と喜んだ。

公式戦の得点は、筑波大4年時の19年12月、全日本大学選手権2回戦のびわこ成蹊スポーツ大戦以来。全得点をたたきだし、2-1の勝利の主役になった。当時の筑波大の同級生にはMF三笘薫(現サンジロワーズ)もいた。

「僕、あまり点を取らないので(3年前のことも)よく覚えています。当時は頭と足で決めました」と山川は苦笑い。

本来はセンターバックだが、神戸ではこの日同様、右サイドバックでの起用が多い。兵庫・尼崎市生まれで神戸の下部組織で育ち、筑波大を経て、20年に神戸とプロ契約を結んだ。

山川の先制点後、1度は北海道コンサドーレ札幌に追いつかれたが、勢いは衰えることなく、その後の3連続ゴールで神戸が快勝した。FW武藤嘉紀(29)は「テツ(山川)は攻守にパーフェクトだった。あのゴールでチームが乗れた」と振り返った。

4試合ぶりの今季2勝目を挙げた神戸は、最下位のままだが、16位清水エスパルス、17位湘南ベルマーレに勝ち点2差に迫った。【横田和幸】

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