セレッソ大阪などで活躍した元Jリーガーで、5月1日に38歳で亡くなった宮本卓也さんの「お別れの会」が2日、かつての本拠地ヤンマースタジアム長居(大阪市東住吉区)で開かれた。宮本さんの人柄を表すように、約200人の関係者が全国から駆けつけた。

宮本さんは広島ユースから大商大を経て、06年にC大阪入り。当時C大阪の監督だった小林伸二氏(61=J3ギラヴァンツ北九州スポーツダイレクター)は、北九州市から足を運んだ。

当時は練習生でC大阪入りを目指した宮本さんについて、1学年上だったFW大久保嘉人が「小林監督、彼はむっちゃうまい。まったく違和感がない」と、プロ契約を小林氏に推薦してきたエピソードを明かした。

「全国のスカウト網にかからず、背も高くはない。それでいて1対1に強く、すごくいい選手だと、びっくりした」と小林氏。この日は献花台に花を供え、過去の映像を見て目を真っ赤にした。

主にボランチだった宮本さんは、C大阪を経て08年からモンテディオ山形、13年はアビスパ福岡でプレーして引退した。J1で通算101試合、J2では106試合に出場。その後はC大阪下部組織などで、指導者として新たな道を歩んでいた。

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【主な参加者のコメント】

 

◆06年C大阪入団当時の強化責任者・西村昭宏氏(63=JFL高知ユナイテッドGM) 「(お別れの会で流された)彼の映像を見て、好プレーが脳裏によみがえりました。当時、彼と出会い、契約させていただいたことに感謝しています」

 

◆広島ユース時代に高校生だった宮本さんをコーチとして指導した現在U-16、15日本代表の森山佳郎監督(54) 「小さい体でも下半身がしっかりし、プレーはガツガツ系。ボールを刈り取れる素晴らしい選手でした。育成年代の指導者になり、子どもにとって、安心できる人柄だったと思います」

 

◆C大阪や現在は川崎フロンターレでポルトガル語の通訳をする白沢敬典氏(52) 「私の孫が小学生時代、宮本さんにC大阪のスクールで指導してもらいました。お孫さん、すごくうまくなってますよと、私に伝えてくれて。本当に温かい指導でした」