リーグ得点ランク3位の7得点を奪っているJ2アルビレックス新潟の稼ぎ頭、FW谷口海斗(26)が“任務遂行”をテーマに今日11日のアウェー大分トリニータ戦に臨む。10日は聖籠町で最終調整。報道陣に公開された冒頭約20分の練習では常に笑顔でプレーし、コンディションの良さをアピールした。前節4日のアウェー徳島ヴォルティス戦(1-1)で10試合ぶりとなるゴールを決めた。復調への兆しを見せるエースがリーグ前半最終戦でも果敢にゴールに迫り、ここまで苦戦しているアウェー戦で勝利をたぐり寄せる。

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チーム最多7得点を挙げる谷口が強気に、したたかに大分を襲う。「どんな形からでもゴールを奪えるのが理想。こだわりはない」。第10節アウェー岡山戦(4月17日、1-1)を最後に得点から遠ざかっていたが、前節徳島戦で右DF藤原奏哉(26)の右クロスを頭で合わせ、同点ゴール。得点を奪う感触は取り戻した。「クロスに入るタイミングを工夫したり、裏抜けを繰り返して相手最終ラインをコントロールできれば」と試合を通して持ち味発揮を誓う。

昨季に続き、クラブハウス前で自らが園長を務める「谷口農園」で野菜を栽培している。春先に植えたトマトは大小さまざまな実をつけ始めた。松橋力蔵監督(53)は「ピッチ上でのアドバイスはあまりしないが、畑の水やりには少し注文した」と笑顔で前置きした後、谷口をトマトに例え、「甘さだけじゃなく、すっぱさだったり、いろいろな色や味を持つ選手になってほしい」とリクエストを出した。

ここ4試合負けなし(3勝1分け)の新潟は勝ち点39で2位仙台、3位横浜FCと並ぶが、得失点差で首位に立つ。19日のホーム秋田戦からはリーグ折り返しの後半戦がスタートするが、その前に今季2勝5分け3敗と苦手としているアウェーでしっかり白星をつかみ、勢いをつけたい。「自分たちのスタイルを貫きたい。そして、ゴールを決めて勝利に貢献したい」と気合十分の点取り屋は、畑への水やりはクラブスタッフに託し、敵地へ向かった。【小林忠】

▼松橋監督は大分戦に向けて「優位に試合を進めるためにはボールロストを減らしたり、失い方に気をつけなければならない。変幻自在とまでは言わないが、状況を見極めながらゲームを進めていきたい」と話した。U-21日本代表としてU-23アジア杯(ウズベキスタン)に出場しているMF三戸舜介(19)には「攻守で良さを出している」と話した。9日のタジキスタン戦では後半にレッドカードで退場。「次は出場できないが、経験値を上げてほしい」と成長を期待していた。