関大北陽が約60メートルの超ロングシュートで下克上を果たし、18年以来の全国高校総体(インターハイ)出場権を手にした。

前半7分、興国がボールを回しているところに関大北陽のMF福場壮洸(3年=千里丘FC)がプレスを仕掛けた。近くにいたMF立花蓮(2年)がボールをカットし、福場へパスを送る。自陣で前を向いた福場は相手GKが前に出ているのを確認すると、自陣から右足で思い切りゴールを狙った。

約60メートルのシュートは、ワンバウンドしてゴールへ吸い込まれた。衝撃の得点で、関大北陽が先制。その1点を守り切って決勝進出し、大阪は2枠が与えられる全国大会の出場権を得た。

値千金の得点を挙げた福場は「流れをつかむには自分のミドルシュートが必要だと思っていて、相方のボランチの立花君がいいボールの奪い方をしてくれた。ゴールへの道は見えていたので、飛んだ瞬間に決まると思いました。後はゴールに入っていくのを眺めているだけでした」と喜びをかみしめた。

関大北陽は大阪2部リーグに所属する。毎年、多くのプロ選手を輩出することで有名なプリンスリーグ関西1部の興国を撃破した。

矢田竜之監督(45)は「(興国より)1つではなく、3つ下のリーグにいる。勝つためには一致団結しないといけないと思っていました。ピッチにいる選手、応援してくれるみんなの思いも1つになって勝つことができた」と満足そうな表情を浮かべた。

12日の決勝は履正社との対戦。DF大平直哉主将(3年)は「目標はここではなく明日、勝つことです」と力を込めた。