J2新潟のGK小島亨介(25)が19日、秋田とのリーグ折り返し初戦でクラブ新記録となるホーム10連勝をもたらす。今季ここまで全21試合でフル出場の守護神は安定したセービングに加え、“レーザービーム”級の超絶フィードで攻撃のチャンスを生み出す。失点に絡んだ前回対戦(3月13日、0-1)の悔しさをしっかり晴らし、最高の形でリーグ後半戦をスタートさせる。

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レフティーの守護神が攻守両面でチームを支える。今季全試合フル出場中の小島はキャッチングとパンチングを的確に使い分け、ここまでリーグ最少2位タイ(17日時点)の18失点。クリーンシート(無失点)は8試合を数える。ビルドアップでは高精度のフィードを広範囲に散らし攻撃のスイッチを入れる。試合前日18日は、GK練習でも正確なパントキックを連発し、調子の良さをアピールした。「(総失点は)1試合平均にすれば1点以下。ここからも無失点の試合を増やしたい」。

前節11日のアウェー大分戦は最少失点に抑え、2-1の勝利に貢献。攻撃では前半22分、味方からのバックパスを足元に置かずファーストタッチでグッと前に運び縦パスを供給。MF高木の先制点の起点を作った。「前への意識を持つことはGKも一緒」とボールをもらう前に流れを把握し、状況に応じたプレーを心がけている。

低中弾道、山なりなど、キックの種類は豊富。ボールに足をミートさせる瞬間まで相手守備陣の立ち位置やスペースを観察する。「相手の重心が前のめりになっているのか、うしろに掛かっているのか。それによってキックは使い分ける」と身ぶり手ぶりで説明する。

秋田との3月の前回対戦では降り続く雨の影響でピッチがぬかるみ、目測を誤ったところを突かれて決勝点を献上した。「悔しさは忘れていない。ビルドアップの意識を持ちながらも0で抑えたい」。勝てばホーム10連勝。クラブ記録更新が懸かる一戦に向け「しっかり勝って歴史の一員になりたい」と意気込んだ。【小林忠】

○…今季J1浦和から完全移籍で加入もここまで別メニュー調整が続いていたDFトーマス・デン(25)がピッチ練習に合流。18日はチームメートともに冒頭のウオーミングアップやパス回しに参加し、笑顔を見せた。松橋監督は「様子を見ながら、と言う感じ。リハビリは長かったと思うが強い精神力を示してくれた。ケガが再発しないようにコントロールしながら、しっかりバックアップしていきたい」と話した。