鹿島アントラーズがエースFW上田綺世がベルギーへ移籍が内定し不在となったが、しっかりと敵地で勝ち点3を手にした。

2トップで先発したのはFW鈴木優磨と土居聖真。土居は3月19日の湘南ベルマーレ戦以来の先発だった。左サイドバックの安西幸輝が2列目の右、今季センターバック(CB)の起用が続いていた三竿健斗がボランチに入り、CBにDFキム・ミンテが入り、先発の顔触れとポジションが変わっていた。

酷暑の中、これまでのアグレッシブな戦いとは変わり、ブロックを引き割り切って守る時間も多く、柏に押し込まれる場面も多かったが、前半終了間際に左コーナーキックから、キム・ミンテが頭で押し込み先制。1-1の後半36分には、鈴木が得たPKを途中出場のFWエヴェラウドが決め勝ち越し。したたかに勝ち点3を手にした。

試合後、鈴木は上田の移籍に「間違いなくチームにとっては痛い。それでも、鹿島は誰が抜けても勝ってきたクラブ。痛くないというのはうそだが、スペシャルな選手が抜けた今、泥くさく、全員で戦って勝っていこうと話をした。そういった中で、非常に難しい試合で泥くさく勝つことができたと思っています」と振り返った。

鈴木自身、後半35分にスローインの流れからペナルティーエリア内へと仕掛け、PKを獲得。自分では蹴らず、一昨年のチームのトップスコアラーだったエヴェラウドに譲った。鈴木は、エヴェラウドが蹴る際、ゴールに背を向けた。鹿島のサポーターの歓声を聞き、ゴールと知ると大きくガッツポーズした。

PKを譲った真意について、鈴木は「綺世が抜けた今。エヴェ(エヴェラウド)にかかる期待がすごく大きい。個人的な目標として、エヴェをもう1度復活させるのは大きなミッション。綺世も素晴らしいが、エヴェも負けないぐらい素晴らしい。みんながエヴェのゴールと復帰を持っていた。彼が蹴って自信を取り戻してほしいと譲りました」。

加えて「あと、自分はPKが下手なので」と付け加え、笑いを誘った。ちなみに、エヴェラウドのPKシーンは、本人以上に緊張して「なるべく見ないようにしていた」と振り返る。

流れが悪くても、セットプレーで得点を重ね、「誰が出ても鹿島」という伝統でタイトルを重ねてきた。鹿島らしく、首位の横浜F・マリノスに食らい付いていく。

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