今季初の連勝はならなかった。コンサドーレ札幌が神戸に0-2の完封負けを喫した。前半2失点で逆転できなかった。前節時点で最下位の相手に、ホーム&アウェーともに白星を献上し、最下位脱出を“アシスト”。勝てば勝ち点を30台に乗せ、残留争いからわずかに抜け出ていた可能性があったが、暫定11位のまま。油断の許されない立ち位置は続く。

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札幌はまたも神戸に敗れた。20年から6連敗となった。夏休み中の試合に、2万1206人が札幌ドームに集まった。ペトロビッチ監督(64)は「我々にとって大事なゲームを落とし、非常にがっかりしている。多くの子どもたちがスタジアムに駆けつけ、応援し後押ししてくれた。応えられなかったことは申し訳ない」と残念がった。

ひっくり返す力が足りなかった。前半28分にショートカウンターで先制を許し、同ロスタイム4分にはFKの流れからこぼれ球を押し込まれた。「先に点を与えてしまうと、その後難しくなる」と同監督。開始16分にFW興梠のシュートなど、チャンスは先につくれていた。追う展開になるも、丁寧に攻撃を組み立てようとし過ぎてペースを握れなかった。

18年に就任のペトロビッチ体制後、最も苦しんでいるシーズンと言っていい。今季6勝しているが、まだ連勝がない。開幕から最も遠ざかった昨季でも第17、18節で達成している。前節湘南戦で5-1の大勝を挙げた勢いを持続できなかった。復帰から2戦目で4月29日以来の本拠地ピッチに立ったFW小柏は「2連勝しなきゃいけない試合だった」と悔しがった。

最下位脱出を狙った神戸の執念に屈した。球際の強さでも下回った。「自分たちにやらせないという気迫を感じた」と主将のMF宮沢。シーズン残りあと9試合。結果を求め続けなければならない時期に入っている。【保坂果那】

▽後半41分から本拠地デビューしたMFスパチョーク 札幌サポーターの目の前でプレーできてうれしいけど結果が残念。次は頑張りたい。

○…新加入の韓国人FWキム・ゴンヒ(27)がチームに合流した。前日12日に来日したばかり。試合前練習をピッチ脇から見学した。サポーターへ日本語で「みなさん初めまして。わたしはキムゴンヒです。どうぞよろしくお願いします」とあいさつ。「札幌に加入できてうれしい。早く練習を積んで、みなさんに喜びを感じてもらえれば」と話し、拍手で歓迎されていた。14日から全体練習に参加する予定。