浦和レッズが外国人トリオの活躍でジョホール(マレーシア)に5得点を奪い、8強入りした。DFアレクサンダー・ショルツ(29)のPKで先制すると、前半のうちにMFダビド・モーベルグ(28)が2得点。後半には途中出場のFWキャスパー・ユンカー(28)がダメ押しゴールを決めた。準々決勝は22日(対戦相手は20日決定)に行われる。

ホームの大歓声を最初に浴びたのは、守備の要のショルツだった。前半7分、MF松尾が獲得したPK。ゴール前で相対したショルツは、鮮やかに相手の逆を突いて右隅に決めた。

「最高だよ!」と振り返ったのは続いてのヒーロー、モーベルグ。前半19分、ゴール正面の絶好の位置のFK。華麗な左足を振り抜き直接ゴールネットを揺らすと、さらに39分に再び左足で決めた。

最後に盛り上げたのは、途中出場のユンカーだ。後半39分に左足で流し込むと、ロスタイムに連続ゴールを決めた。サポーターを沸かし続けた大量5得点。マンオブザマッチにも輝いたモーベルグは「この日本のクラブに来た海外の選手が、しっかりとしたパフォーマンスを残せた。それが良い方向に行っている」と充実感をにじませた。

来日2年目のショルツ、ユンカーと1年目のモーベルグ。すでに日本の心を持っている。「もう90%は日本人です」と言う読書家ショルツのお気に入りの小説は、三島由紀夫の「命売ります」。春の沖縄キャンプではスタッフに沖縄独自の文化や食事について聞き、日本について積極的に学んだ。ユンカーはうどんやラーメンが大好き。他の2人は納豆を好んで食べる。はしを器用に使いながら、日本の味にもなじんでいる。

今季始動日に13人が新加入だったチームは一時、リーグ9戦勝ちなしと苦戦。根気強く互いを理解し、プレーの意思統一に努めてきた。13日磐田戦で6ゴールを挙げるなど、成熟中のチームは勢いに乗る。日本を理解し、愛してくれる助っ人とともに、17年以来の頂点を目指す。【磯綾乃】