J2アルビレックス新潟は引き分け以上でJ1昇格が決まる8日のホーム・ベガルタ仙台戦に向け、聖籠町で調整を続けている。シーズン途中に右鎖骨骨折で離脱も、9月に復帰したプロ2年目のMF三戸舜介(20)は好調を維持する。既に約3万5000席のチケットが完売する仙台戦でも強気のプレーでゴールに迫り、オレンジ一色に染まったスタジアムに歓喜の瞬間をもたらすつもりだ。

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怖いもの知らずの“切り込み隊長”がJ1復帰に導く。報道陣に練習公開された4日、三戸は巧みなボールコントロールから味方にパスを通し、クオリティーの高さを示した。昇格争いもゴールが見えた。8日仙台戦を含めて残り3戦となったが「プロ2年目で昇格争いができてワクワクしている。次(仙台戦)で(昇格を)決めたい」。

前節山形戦(1-1)は右MFで先発出場し、後半途中からはトップ下に入った。同31分にはDF早川の縦パスを受けると反転し、スピードに乗った突破から左足でミドルシュートを放った。その後も積極的にパスを呼び込み、波状攻撃を操った。「見える景色が180度から360度に変わったが、練習で何度か試した位置だったので違和感なくプレーできた」とさらりと振り返った。

仙台戦は個人的にも特別な一戦となりそうだ。プロ入り前の20年に新潟の練習に参加した際、J1のC大阪から育成型期限付き移籍で新潟に加入していたMF中島元彦(23、現仙台)に多くの刺激を受けた。「いろいろと世話をしてくれた」と当時を懐かしみながらも「あの人が来てから仙台のサッカーは変わった。絶対に負けられない」と成長した姿を見せつけるつもりだ。

6年ぶりのJ1復帰まであと勝ち点1。「開幕前から小見と若い自分たちがチームを引っ張ろうと言っていた。変わらずに積極的に仕掛けたい」。歓喜の瞬間は、もうそこにある。【小林忠】

◆あと「1」 首位新潟は8日のホーム仙台戦に引き分け以上で6年ぶりのJ1復帰が決まる。残り3試合で新潟の勝ち点78で、3位岡山の勝ち点は69。岡山が残り試合で3連勝しても78。新潟は3戦で勝ち点1を獲得すれば岡山を上回り、J1自動昇格の2位以上が確定する。