全国高校サッカー選手権静岡県大会1次トーナメント3回戦が、15日に行われる。32年ぶりの全国出場を狙う第3シードの清水東は、今大会初登場。富士東と対戦する。攻撃のキーマンは、2年生ながら名門の背番号「10」をつけるFW山崎太耀(たいよう)。左足首のケガから復帰した点取り屋が、チームを引っ張る。

頼れる2年生エースが戻ってきた。7月上旬に左足首内側靱帯(じんたい)を損傷。約2カ月間の離脱を経て、戦列復帰した。復帰後は、所属する県Aリーグでも2試合連続で途中出場。徐々に本調子を取り戻しつつあり、「試合勘も少しずつ戻ってきている」。現在も急ピッチでコンディションを上げている。

清水東への入学は「必然」だった。山崎の父親は、同校OBでJ1清水などで活躍した山崎光太郎氏(43、現J1清水強化部長)だ。父のDNAを引き継ぐサラブレッドは「小学校のころから清水東に入りたいと思っていた」。偉大な存在でもある父の背中を追い、同校に進学。1年時から頭角を現し、今年はエースナンバーを託された。

昨年は県総体決勝でもピッチに立った。大舞台も経験し、「成長できる貴重な時間だった」。自身にとって県選手権は、昨年に続き2度目。今年はチームの主軸を担っている。「どんな状況でも、試合の流れを変える選手でありたい」。求められているゴールを奪い続け、悲願の全国出場に導く。【神谷亮磨】

<豪雨被害地元のためにも>

地域の思いも背負って優勝を目指す。台風15号による豪雨の影響で、清水東高がある静岡市清水区は、甚大な被害を受けた。学校も断水し、一時は休校で部活動も休止。部員らは休部となった3日間で、自主的にボランティア活動に参加。浸水被害が大きかった地域に出向き、泥かきや家具の撤去作業などを手伝った。主将のFW中山大耀(たいよう、3年)は「近所の方から『頑張って』と声をかけてもらった。勇気づけられるような結果を残したい」と力を込めた。