高校サッカーの名門、帝京が13年ぶりの選手権出場に向けて好発進した。東京都2次予選3回戦から登場した帝京は、15日に保善と対戦。前半2ー0で折り返すと後半も加点して5-0で初戦を突破した。

選手権戦後最多タイの優勝6回、夏の高校総体と合わせて計9回日本一に輝いた「カナリア軍団」が、31年ぶりの選手権制覇へスタートを切った。日比威監督(49)は「トーナメントなので、勝てたことはよかった。ただ、決めるべきところでは決めないと」と、多くの決定機を逃したことを課題にあげた。

昨年、夏の高校総体で10年ぶりに「全国」出場、今夏は準優勝と、日本一まであと1歩に迫った。関東プリンスリーグでも現在2位で、初のプレミア昇格も見えてきたが「選手権は特別なので」とFW伊藤聡太主将(3年)。13年ぶりの選手権キップ、さらに31年ぶりの頂点へ「いいスタートは切れたけれど反省点も多い。しっかり、次(23日)に向けて準備したい」と話した。

日比監督は、最後に選手権で優勝(四日市中央工と同時)した91年度の主将。「帝京がこのまま終わるのは嫌」と、会社を辞めて15年に就任。8年目で再び全国制覇を狙えるチームを育てた。「多くの人が応援してくれるし、それは帝京の強みでもある。期待に応えたいですね」。ユニホームの胸に輝く9つの星は日本一の回数。10個目の星獲得へ「カナリア軍団」帝京が力強くスタートを切った。