J2のFC町田ゼルビアは28日、FW鄭大世(38)が今季限りで引退すると発表した。

愛知県出身。愛知朝鮮高、朝鮮大学校を経て06年に川崎フロンターレに入団。加入2年目の07年からJ1で3年連続2桁得点を達成。北朝鮮代表として10年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場。同年7月にドイツ2部ボーフムに移籍。13年に韓国1部の水原、15年に清水、20年に新潟、昨季から町田に加入していた。、16年には26得点でJ2得点王。北朝鮮代表として国際Aマッチ通算33試合15得点。

コメントは以下の通り。

「裏山の鶯の鳴き声で目を覚ます。そんな清々しい朝を迎えてた町田での2年間

最後の最後まで。本当に最後の試合まで苦しかった。

これを遅くに書き上げた後に夢で、外されてるのに怒鳴られる夢でうなされ、朝思わず加筆した。

現実もそんな日常だった。

全て伏線だと言い聞かせ、この”痛みや苦しみ”は自分だけの花を咲かせるためだと

愚痴りながらも、食らいついた

自分と、周りが思う今の質の差にも薄々気がついてたが

年甲斐もなく、まだできる!とギラついてたけど、変わることはなかった。

苦しさは変わらずで、こんな歳でも、悔しくて何度も泣いた。

でも喜びは、喉が裂けるほど咆哮したあの頃とは、もう違う。

同世代に勇気づけられ、ひと回り下に慰められた。歳の半分以下の選手たちと鎬を削った

幼き頃、買ってもらったユニの袖のJリーグのエンブレム

太くなった腕の袖のそれを見るたびに、胸が熱くなった。

何年も前から、今日が最後かもと毎試合トイレに篭り嗚咽を漏らして泣いてた。

酸いも甘いも味わい、綺麗事だと思ってたあの言葉も、今なら素直な気持ちで言える。

『みんなのおかげ』

こんな性格じゃなかったらもっといい景色が見えたかも?

こんなエゴイストだからここまでこれた?

違う。みんなの支えで今がある。

後悔や、人としての失敗は数え切れないけど

はっきりと言える。これが『ベスト』。

砂埃舞う大学都リーグ3部からのし上がった、最高に痛快なサッカー人生。

多くをサッカーからもらい、今は心が満たされてる。

あの頃想像もできなかった舞台で夢中で走った17年間に、終了の笛を吹き、終止符を打つ。

悠然と胸を張ってスパイクを脱ぎます。

エゴイストなくせに馬鹿みたいに繊細で感情的な、こんな僕に関心を持ってくれてありがとうございました」