前回王者の青森山田が2連覇に向けて白星発進した。広島皆実に1-0で競り勝ち、8大会連続で初戦を突破。J2町田の指揮官に転身する黒田剛総監督(52)に代わり、10月に就任した正木昌宣新監督(41)が全国選手権初采配で初勝利を飾った。聖和学園(宮城)、盛岡商(岩手)、尚志(福島)、ノースアジア大明桜(秋田)は、2回戦で敗退。東北勢は青森山田1校となった。

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正木監督率いる青森山田が2連覇へ向けて歩み始めた。前回大会優勝メンバーのJ1東京MF松木玖生(19)ら卒業生がスタンドから見守る中、広島皆実に1-0で勝利。2点目は奪えなかったものの、相手シュートを1本に封じ、危なげなく初戦を突破した。主将のDF多久島良紀(3年)は「正木監督に1勝をプレゼントできたのはすごくホッとしていますが、1戦1戦、一喜一憂せず、全力で戦いたい」と気を引き締めた。

決勝点は後半開始直後に生まれた。0-0の同6分、MF芝田玲(2年)が左サイドから上げたFKを、ニアのFW小湊絆(つな、3年)が頭でそらし、ファーのDF三橋春希(3年)がヘディングを突き刺す。三橋は「前半から何本か(チャンスが)あり、自分も何本か外していたので『必ず決めてやろう』と思っていた」。前回大会はボールパーソンを務めたが、最終学年でチームを勝利に導く活躍に「うれしいというのが一番」と笑顔を見せた。

選手権初采配の正木監督には心強い味方がいた。ベンチ入りした黒田総監督とのタッグで勝利をつかんだ。「監督交代ということで、そういったところに目がいきがちですけど、選手が動揺することなく、きちっとパフォーマンスできるように(黒田)監督と相談しながらやってました」。黒田総監督がサイドライン際で選手に直接指示を出す場面はほとんどなかったが、「ベンチの中ではきちっと私に聞こえる声でのコーチングはありました(笑い)」と明かした。

2日の3回戦では選手権6度優勝の国見(長崎)と対戦する。今大会の目標を問われた多久島主将は「優勝ですね。2連覇を狙っていますし、先を見すぎずに1戦1戦を戦いたい」と力強く宣言。2連覇、4度目となる頂点を目指し、新指揮官のもとで勝利を積み重ねていく。【山田愛斗】

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