新生・ジュビロ磐田は厳しい船出となった。ホームで迎えた開幕戦で3失点を喫し、敗戦。1万人を超えるサポーターの声援に応えられず、黒星発進となった。今季就任した前日本代表コーチの横内昭展監督(55)は「プレーの強度で上回られ、ストロングを出させてしまった」。自身のJ初采配を飾ることはできなかった。

敗戦の中でルーキーが光となった。今季、高校2年生ながらU-18から飛び級でトップに昇格したFW後藤啓介(17)が、後半19分にリーグ戦デビュー。同44分には、左クロスから右足でネットを揺らした。

17歳260日でマークした初得点。FW高原直泰(43)の持つクラブ最年少得点記録(18歳290日)を更新すると、同ロスタイムにも頭で2点目を奪った。チームが敗れ「喜びと悔しさが半々」と会心の笑みとはいかなかったが、反撃の中心を担った。

次節はアウェーで山口と対戦する。新指揮官は「もっとボールを握りたい。そこにはミスも出るが、恐れず前半からやりたい」。後藤も「まだ始まったばかり。課題を修正して勝ち点を積み上げていきたい」と顔を上げた。【前田和哉】