アルビレックス新潟は川崎フロンターレに1-0で競り勝ち、2万6000人を超すサポーターが駆けつけたスタジアムで今季ホーム初勝利を挙げた。前半22分、トップ下のMF伊藤涼太郎(25)が2試合連続ゴールとなる決勝点を奪った。守備も最後まで体を張って守りきり、今季初めて無失点に抑えた。昨季リーグ戦2位の強敵を破り、開幕から4戦負けなしの2勝2分けで勝ち点を8に伸ばした。次節18日はアウェーで浦和と対戦する。

強敵相手に自慢の右足が牙をむいた。伊藤は前半22分、左サイドの高い位置でボールを奪った左DF渡辺泰基(23)のパスを受けるとゴール方向に素早く反転し、ペナルティーエリア左付近に進入。相手の寄せが甘くなったところを見逃さずシャープに右足を振り抜き、鋭いシュートをニアサイドに突き刺した。2試合連続ゴールとなる今季2得点目は貴重な決勝点。「GKがファーサイドを警戒していたので判断を変えた。よく入ってくれた」とクールに振り返った。

序盤から才能をフル活用した伊藤は前半17分、自陣でボールを受けると右サイドを駆け上がるMF太田修介(27)に長いスルーパス。得点にはつながらなかったが、川崎Fを慌てさせる。後半もキレキレのドリブルやラストパスで攻撃をけん引。同40分には切り返しで相手DFを翻弄(ほんろう)し、左足で惜しいループシュートを放った。この日、マグロのように動き回った選手に送られる「マン・オブ・ザ・マグロ」(山崎食品)にMF高宇洋(24)とともに選ばれたが「チャンスはもっとあった。しっかり決めきる力をつけないと」と満足はない。

岡山・作陽高を卒業した16年に浦和でプロデビューも出場機会に恵まれず、水戸や大分への期限付き移籍を繰り返した。「自信を失いかけた時期もあったが、自分を信じてここまでやってきた」。埋もれそうになっていた才能が、昨季完全移籍した新潟で開花した。「自分と新潟のサッカーがすごくマッチしている。チームメートが自分の良さを引き出してくれている」と笑顔を見せる。

チームは開幕から4戦2勝2分けと負けなし。「自分たちは少しずつ自信をつけている。ただ、開幕戦(C大阪)と前節(札幌)は引き分けている。勝ち点2ずつを逃している気持ちが強い」と勝ちに飢えている。

ホームの大声援を受け、強敵から勝ち点3を勝ち取った。2連勝を狙う次節はアウェーで浦和と対戦する。古巣対戦となる伊藤は「成長した部分をぶつけるには最高の相手。(この日の)勝利を次につなげたい」と気持ちを高ぶらせた。【小林忠】