ヴィッセル神戸の主将で元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(38)が、今夏限りで退団する見通しとなったことが5日、分かった。18年夏にバルセロナから加入して丸5年。19年度の天皇杯でクラブ初のタイトルをもたらせたスーパースターが、11日の39歳の誕生日を前に方向性を出した。

10年南アフリカ大会で初優勝を果たすなど、W杯は計4度出場。バルセロナでは欧州CL4度の優勝に導くなど、天才的な技術で司令塔を務めてきた。

神戸に移籍後も天皇杯優勝を皮切りに、21年はリーグ戦でクラブ史上最高の3位に導いた。過去の実績に甘んじない姿勢は仲間の手本でもあった。ただ昨年からチームは強度の高いプレーを求め、技術を武器にするイニエスタの出場機会は激減。今季は開幕から11試合で先発はなく、途中から2試合に出場しただけだった。

神戸との契約は今季末まで残すものの、現役引退のタイミングは近づいていたのは事実。だが、本人は現役続行を望んでいるとされ、獲得に興味を示す中東や米国のクラブに移籍する可能性がある。神戸は現在、イニエスタの古巣バルセロナと6月6日に国立で親善試合を行う計画を進めており、その舞台が神戸での最後の勇姿になる可能性が高い。

◆アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日、スペイン生まれ。バルセロナ下部組織を経て、2002~03年シーズンからトップチームでプレー。4度の欧州CL優勝など数々のタイトル獲得に貢献。W杯は06年ドイツ大会から4大会連続出場。10年南アフリカ大会決勝ではスペインを初優勝に導く決勝点を挙げた。18年に神戸に加入。19-20年の天皇杯でクラブに初のタイトルをもたらした。J1では昨年までの5季で通算110試合出場、21得点。171センチ、68キロ。38歳。