セレッソ大阪とヴィッセル神戸による阪神ダービーは、ホームC大阪の劇的勝利で幕を閉じた。

決勝点が生まれたのは、1-1で迎えた後半ロスタイム。このまま試合終了すると思われたタイミングだった。

C大阪が神戸守備陣の裏を狙ったボールを、GK前川黛也(28)がペナルティーエリアから飛び出して胸トラップ。相手攻撃をうまく止めたように見えたが、そのトラップがわずかに大きくなった。前にこぼれたボールを右足でキックしようとしたが、届かずに空振り。こぼれたボールをC大阪のFW北野颯太(18)に蹴り込まれた。前川は試合後、「あれは完全に僕のせい」と悔やんだ。

それでも、吉田孝行監督(46)をはじめとした仲間からの評価は高く保っている。指揮官は「ミスはミスだが、今まで何度もチームを救ってくれているし、彼のおかげでここまでやってこれている」。この試合でも、前半21分にMF香川真司(34)の決定的なヘディングシュートをぎりぎりのところでセーブ。6日のバルセロナ戦でもファインセーブを連発していた守護神は、感覚を研ぎ澄ませ、鋭い反応を披露。周囲の信頼は高まり続けており、それはこの試合後も変わらない様子だった。

ミスでの失点にはなったが、判断を迷っての失敗ではなかった。

「単純にクリアするより、トラップして前線につなげて、チャンスを少しでも作れればと思った」

引き分けで満足するのではなく、チームの勝利を考えたからこそのミスだった。

失点につながるプレーには反省しながらも、既に前を向いている。「ああいうプレーで臆病になると、僕自身の良さがなくなると思う。これからも、もっとチームを救えるようにチャレンジしていきたい」と前川。今季開幕からフルタイム出場を続け、堅守の神戸を支えている守護神は、今後も自身の強みを失うことなくプレーすることを誓った。

【動画】見事なコントロールヘッドにファインセーブ 香川真司と前川黛也の攻防は見応え十分

【動画】これが首位神戸の強さ 電光石火、失点直後に追いつく‼ 山口蛍がターンから流し込み

【動画】なんという結末…日本のニューヒーローの劇的決勝弾 北野颯太がJ1初ゴール

【J1スコア速報】はこちら>>