J1アビスパ福岡が、クラブ史上初の4強入りを果たした。

リーグ戦でチーム最多7得点のエースFW山岸祐也(30)が「2ゴール&1アシスト」の活躍で逆転勝ちに導いた。

大一番で、持ち味の堅守速攻がさく裂した。1-1の後半22分、山岸はカウンターから、ペナルティーエリア左でパスを受けて、相手GKと1対1を制す逆転弾など2得点。必殺スルーパスで3点目も演出した。だが、慢心はない。「歴史的勝利でベスト4だが、ここがゴールじゃない。優勝目指してあと2試合勝ちたい」と話し、即次戦へ切り替えた。

前半4分、守備の背後へのパスを供給され、ペナルティーエリア右で受けた相手FWに技あり反転シュートを決められた。だが、早い時間で焦りはなかったという。同44分、中盤のボール奪取からゴール前でしつこくつないで、フリーで受けた山岸の同点ゴールで追いついていた。

山岸は、リーグ戦の直近9試合で無得点など不調が続いていた。だが、その間、長谷部茂利監督(52)によると「(試合を)よく見て、考えていた。日頃から真摯(しんし)に取り組んでいるから、ゴールやアシストができる」という。成長の証だった。

26日京都サンガ戦から中3日の湘南戦は、先発5人を入れ替えた。京都戦で負傷交代したFWルキアンはベンチ外で、代役を鶴野怜樹(22)が務めた。その中で、フレッシュな鶴野や3点目を決めたMF佐藤らの守備の背後を取るプレーも効果的だった。

今季開幕前、クラブは「カップ戦4強以上」の目標を立てた。そして、準々決勝でJ2ヴァンフォーレ甲府に敗れた昨年に続き、2年連続8強入り。湘南戦へ、長谷部監督は「目の前の試合に勝つことで、クラブの記録を塗り替えること、更新することに特化している」と話し、新たな歴史を刻む覚悟は十分だった。

福岡は、徹底した守備からパスカットなどでボールを奪い、攻撃に転じるスタイルを強みとする。

だが、直近リーグ戦は2戦2敗。しかも無得点。パスワークや個人技に優れるチームには、組織的な守備が不発で、後手を踏んできた。特に26日京都サンガ戦は、立ち上がりから相手の気迫に押され、球際やセカンドボールの攻防で競り負けた。強みのクロスも、ゴール前のブロックに、ことごとく跳ね返され、まったくペースをつかめなかった。攻守がかみ合わず、長谷部監督も「うまくいかないことが多いチーム」という課題を露呈していた。

だが、湘南戦へきっちり修正。チーム一丸で新たな歴史を刻んだ。【菊川光一】