首位のヴィッセル神戸が6位のセレッソ大阪を下し、首位をキープした。
最少得点差での勝利ではあったが、神戸にとってはそれ以上に大きな意味を持つ勝ち点3となった。
序盤から前線から最終ラインまでが連動した動きを見せ、全体をコンパクトに保ってC大阪に自由を許さなかった。ハードに動き続ける守備でボールを狩っては、素早く攻撃に移る、シーズン序盤から見せていた神戸のサッカーが展開された。
夏場以降、なかなか発揮できていなかった今季のベースを取り戻した戦いに、吉田孝行監督(46)は「これぞ神戸というサッカーができた」と胸を張り、決勝点をアシストしたDF初瀬亮(26)も「自分たちの良さが何かっていうのを出せた試合だったと思う。下がるだけが守りじゃないし、やっぱり前から行くのが自分たち」と力強く話した。
この試合ではMF井出遥也(29)やMF扇原貴宏(31)といった、最近では出番を減らしていた選手もチームを活性化するパフォーマンスで大きく貢献。苦しんだ時期も「やることは変わらない」と言い続け、選手全員に目指す戦いを浸透させてきたことが、この日の勝利につながった。
残り6戦となったこのタイミングで、今季本来の強さを取り戻したことは、悲願のリーグ初制覇に向けて、とてつもなく大きな1歩となる。