Jリーグ理事会が26日に東京都内で行われ、日本フットボールリーグ(JFL)に所属するクリアソン新宿のJ3クラブライセンス申請が承認された。東京23区に本拠地を置くクラブとして初めてJリーグのクラブライセンスが交付された。
午後5時ぴったりにクラブ丸山和大代表の元に電話が入り、承認の旨が伝えられると、本拠地の東京・新宿にある伊勢丹新宿本店の屋上に集まったクラブスタッフ、スポンサー関係者らは歓喜に包まれた。丸山代表は「誠心誠意頑張って参ります」と笑顔で伝えて電話を切り、「本当にすごい歴史的な1日。大変うれしく思います」と感慨深そうにした。
クラブがライセンスを取得する上で、ネックになっていたのがホームスタジアムの問題だった。23区内でJリーグの開催実績があるスタジアムは、国立競技場、味の素フィールド西が丘、駒沢オリンピック公園総合運動陸上競技場、夢の島競技場の4カ所。ホームスタジアムを所有しないクラブは、西が丘と国立を一定水準利用するめどが立ち、23区という地域の特性や可能性も込みで、今回「特例」でライセンスが承認される形となった。
現在JFL4位のクラブがJ3に昇格するために、最終順位で2位以内に入る必要がある。1位のホンダFCとは勝ち点差11と開きがあるが、2位のソニー仙台、3位ラインメール青森とは勝ち点差1の混戦状態。Jリーグ入りの資格は獲得した。23区初のJクラブへ-。あとは実力で昇格を勝ち取るだけだ。【佐藤成】
◆クリアソン新宿 クリアソン(Criacao)はポルトガル語で「創造」の意味。05年に「クリアソン」として誕生。09年に東京都社会人リーグに加盟。18年、活動拠点の新宿区と今後も歩みを進める決意で「クリアソン新宿」に改名。同年度の関東社会人大会に優勝。19年に関東2部優勝。21年に関東1部優勝から全国地域CLも制しJFL昇格。初年度の22年はJFL15位。23年は現在4位。元Jリーガーの黄誠秀、岡本達也、大崎淳矢、上田康太らが在籍。スタッフは丸山和大代表、成山一郎監督、北嶋秀朗ヘッドコーチ。
◆49クラブに交付 Jリーグは、来季のJ1参加資格となるJ1クラブライセンスの判定結果を発表し、新たに取得したJ2のいわきと藤枝、J3讃岐を含む49クラブに交付された。また、クリアソン新宿のほかにJFLのラインメール青森、ヴィアティン三重、ヴェルスパ大分への来季のJ3クラブライセンス交付も決めた。J2ライセンスは来月の理事会後に発表する。