ヴィッセル神戸は4日、神戸市内のいぶきの森球技場で公開練習を行った。

1日まで行われた沖縄キャンプ後、2日間のオフ明けとなったこの日は、ミーティングからスタート。

その場で今季の主将がMF山口蛍(33)に決まり、DF酒井高徳(32)とDF山川哲史(26)が副主将を務めることが発表された。 山口は昨夏にMFイニエスタの退団後にキャプテンマークを引き継いでいた。

吉田孝行監督(46)は「去年からの継続をしながら、テツ(山川)のような選手もチームを引っ張るという思いも込めて」と任命意図を説明した。その後の練習では、ポゼッションメニューなどで約1時間半、汗を流した。

キャンプを終えた現時点までのチームづくりについて、指揮官は「ある程度これぐらい戦術理解をさせたいと思っていたところはクリアできた。大枠はできたので、今後細かいところをやっていく」と順調な調整ぶりを口にした。

吉田監督が昨季以上に強調しているのは、前線からの守備。「行ける時、行けない時はあると思うが、まずは行く。それが自分たちの良い部分。そこでエラーが起きたら、修正する。行かないと学べない部分もあるので、そこは要求する」と、よりプレッシングの意識を高めるよう声かけを続けている。

攻撃面については、3日に日本代表が戦ったAFCアジアカップ(アジア杯)のイラン戦を引き合いに出しながら、考えを示した。「相手にとってどう脅威になるかというのが大事。昨日のイランも、奪ってから前に前に出してゴールが生まれているし、実際あれが一番やられて嫌だった。それができない時は、しっかりつなぐこと。その使い分け。遅攻になってもただ揺さぶるだけじゃなくて、前に前進しないと怖さがないので、そこは言い続けないと」。今季もFW大迫勇也(33)ら前線のタレントを最大限に生かす戦いをしながら、効果的なボール運びの意識付けもしていくことで、得点力アップを目指す。

7日には、インテル・マイアミとのプレシーズンマッチを戦う。吉田監督は「僕らは開幕に向けて、ギアを上げていく位置付け。結果や局面の激しさも求めながらやっていかないと」と話し、お祭りムードではなく真剣勝負を挑むことを宣言。今季初となる公開試合で、連覇に向けたチームがベールを脱ぐことになる。【永田淳】