浦和が18日、スタジアム警備態勢の改善へ動きだした。前日の浦和-G大阪戦(埼玉)後に、サポーター同士が衝突する騒動から一夜明け、事実確認を行った上で、今後の警備態勢の強化策を協議。両サポーター間の緩衝地帯を広げるなど具体策の検討に入った。20日にはJリーグに今回の騒動に関する報告書を提出する予定。また公式ホームページにて、G大阪は試合前からG大阪側サポーターが挑発行為を行っていたことを認め、浦和は混乱を招いたとして、共に謝罪した。

 浦和は再発防止へ素早い動きをみせた。この日は藤口光紀社長(58)らクラブ幹部が、さいたま市内のクラブハウスでJリーグ、G大阪側と連絡を取り合いながら、スタジアム内に設置されたカメラで撮った映像をもとに、騒動の事実確認を行った。G大阪側サポーターが、試合前から浦和側に水風船などを投げ込んだことが騒動の発端であることを確認。その上で、観客の安全確保策を打ち出した。

 早ければ6月8日のナビスコ杯名古屋戦から今回1000席分だった緩衝地帯を、倍の2000席分にする。藤口社長は「本当はしたくない」と、前置きをした上で「ある程度ハードな態勢が必要な時期にきたのかもしれない」とし、簡単に倒された柵の強化や、人的な増員も検討。また、G大阪サポーターがスタンドから約4メートル下の溝に転落したことを受け、「すぐには解決できないが、スタジアム側と考えていく必要がある」と、今後の改修も示唆した。

 一方、G大阪側はホームページで、騒動の発端がG大阪側にあったことを全面的に認めた。物投げ行為を行った人物を「心貧しいファン」とし、今後同様の行為をした場合は「永久入場禁止」の厳しい処分を科す方針も示した。また、試合終了直後にG大阪の選手がピッチ上で円陣を組んだことも「配慮が足りない行為だったことをおわびいたします」とした。

 浦和もホームページで主管クラブとして運営面での不手際を反省し謝罪した。20日にJリーグ事務局に報告書を提出する予定。今後はJリーグ側の対応に注目が集まることになる。