スペインはここまでどんな戦いをしてきたのか。初戦(現地23日)はコスタリカを7-0で圧倒。2戦目のドイツ戦は1-1で引き分けた。2試合の記録から、その“戦い方”をひもといた。

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スペインは自慢のパスサッカーに磨きをかける。国際サッカー連盟(FIFA)の集計によると、今大会の2試合の総パス数は27日現在で出場国最多の1708本。成功数も同最多1568本で、成功率は92%に上る。チームで最も多くのパスを出しているのが、センターバック(CB)のDFラポルトで249本。プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティー(C)に所属するDFが最終ラインから攻撃を組み立てる。

今大会はラポルトとマンチェスターCでともにプレーするMFロドリがCBで2試合フル出場。本職ではない不慣れなポジションながら守備でも安定したプレーを見せる。総走行距離がチーム1位の21・72キロ。自らよく動いてパスを受け、長短のパスをさばく。日本としてはFW浅野、前田らが前線から効果的にプレスを掛け続けられるかがポイントになりそうだ。

中盤のアンカーには主将のMFブスケツ(バルセロナ)が君臨。今大会のパスコースを見ると、20歳のMFペドリに2試合合計で最多29本、18歳のMFガビ(ともにバルセロナ)に12本を通している。その中盤に両サイドバックや、下がってきたアタッカー陣が、あうん呼吸でボールを動かしながら全体を敵陣深くまで押し上げる。

FW陣で目立つプレーデータを残しているのがアセンシオ(Rマドリード)。昨夏の東京五輪・準決勝の日本戦で決勝ゴールを奪ったアタッカーはシュート数、クロス数ともにチーム最多の6本。同じく東京五輪メンバーの左FWオルモ(ライプチヒ)がスプリント回数(全速力でダッシュした回数)で同最多の124回。6人がゴールを決め、190センチのFWモラタ(Aマドリード)が2試合連続途中出場でゴールをマークしている。【石川秀和】

◆日本の1次リーグ突破条件 日本は最終戦でスペインに勝てば勝ち点6で2位以内が確定し、決勝トーナメントに進むことができる。しかし、負ければ敗退となる。日本が引き分けた場合は、コスタリカ-ドイツの結果次第。コスタリカも引き分けると、日本と勝ち点4で並び、得失点差0の日本が同マイナス6のコスタリカを上回って16強入りする。コスタリカが勝つか、ドイツが2点差以上で勝つと、日本は3位で敗退。ドイツが1点差で勝てば、日本と勝ち点4、得失点差も0で並び、総得点の多いチームが1次リーグを突破する。総得点でも並べば、直接対決で勝った日本がドイツを上回る。