日本代表よ、底力を見せてくれ-。

元日本代表の田中マルクス闘莉王氏(41)が、スペインとの大一番を前に“愛のゲキ”を飛ばした。FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグで1勝1敗の日本は、日本時間2日午前4時キックオフの第3戦で、スペインと対戦する。11月30日に自身のYouTubeチャンネル「闘莉王TV」を更新し、“激怒の大提言”を示した。

初戦後の笑顔とは一転、放心状態で登場。0-1に終わった27日のコスタリカ戦について、「見事に勢いを止めてしまった。あっちゃいけないこと」と切り捨てた。

怒りの矛先は、森保一監督にも向いた。第2戦後、指揮官が「やろうとしたことは出来た」とコメントしたことに対し、「やろうとしたことがあれだったら、ガッカリだわ」とぶった切った。

さらに「俺が一番怒っているのは、なぜ能力の高い選手を最初から使わないのか、ということ」と、MF三笘薫(25=ブライトン)の途中出場などに疑問を呈した。「試合前から決めていることなのかなと。それじゃ、試合の流れは関係ないじゃん」と怒りは収まらなかった。

第3戦で戦うスペインは「勝つのは非常に難しい相手。奇跡に近い」とし、難敵であることを強調。その上で、第1戦で決勝弾を放った浅野拓磨(28=ボーフム)の1トップ起用を提言した。「(日本の)みんなが守備で自陣へ戻ったら、攻め手がなくなる。それではスペインの思うツボ。浅野は絶対にハーフウエーラインで立ち止まり、他の選手がボールをとったら、浅野にパスをする」と具体的な戦術を披露した。

冒頭から怒り心頭に発し続けたが、最後に「(日本は)底力を出せるチーム」と評した。W杯最終予選では、本大会出場へ崖っぷちの状況から6連勝。今大会のドイツ戦でも、後半2発で逆転勝利を決めた。

「運よくっていうか、なぜか生き残れる2022年の日本代表。ちょっとは期待したい」

わずかな希望を言葉に込め、荒々しくも愛のあるメッセージで激励した。

闘莉王氏は10年の南アフリカ大会に出場し、DFとして16強進出に貢献。同大会1次リーグでは、初戦に勝利したものの第2戦で敗戦。今大会と同じ状況で第3戦を迎えたが、デンマークに3-1で勝利し、決勝トーナメント進出を果たした。