37歳の不屈のエースがクロアチアをよみがえらせた。ブラジルに先制を許した延長後半12分。モドリッチは自陣中央付近で相手DFの体を押さえながらMFブラシッチへパス。同点への思いを乗せたボールは左サイドを駆け上がったオルシッチにつながり、中央への折り返しをFWペトコビッチがゴール。終了間際についに同点に追い付いた。
日本戦では延長戦前に交代したものの、この日はフル稼働。まるでピッチを支配しているかのように、どこにでも顔を出し、攻守に仲間を鼓舞し続けた。120分を走りきり、迎えたPK戦では3番目でゴール右隅に冷静に流し込み派手なガッツポーズ。最後までチームの勝利に貪欲な姿勢を見せた。
「誰もがボクたちは死んだと思っただろう。だけど、チームは決してあきらめていなかった。日本戦でPKを制していたから、PK戦になったとき当然ながら自信があったよ」とエースは満足げに振り返った。
勝利決定後の歓喜の輪を外れると、敗れたブラジル選手の元へ歩み寄った。PK1番手で外したRマドリードの後輩ロドリゴを抱き締め「これできっと強くなる。大丈夫。誰もがPKを失敗する」となぐさめた。自身も08年欧州選手権準々決勝のトルコ戦でPKを外し敗れており、経験を踏まえての言葉だった。
モドリッチの奮闘をダリッチ監督は「1点を先制されたとき中盤の選手を交代させることも考えたが、ルカはまだ準備ができていると言った。W杯前には、ピークを過ぎていると人々は言ったが、彼は再び光を取り戻し、我々を準決勝に導いてくれた」とたたえた。
準優勝した前回ロシア大会も決勝トーナメント1回戦から2戦連続PK戦勝利で準決勝に進んだ。37歳でおそらく最後となるであろうW杯で悲願の優勝へ、不屈の闘志で残り2試合に挑む。


