オランダが、またアルゼンチンにPK戦で屈した。14年ブラジル大会以来の顔合わせで、8年前にチームを率いていたのもファンハール監督。待っていたのも同じ結末だった。「2点を追い付いたのに、不幸にもPKで敗れた」とこぼした71歳の名将は終了直後、歓喜に沸くメッシらをぼうぜんと眺め、しばし動けなかった。

奇跡的に同点には追い付いた。2点を追う後半33分、指揮官はFWデパイに代えてウェフホルストを投入。これが奏功した。今季トルコ1部で13試合で6ゴールを挙げているストライカーは、197センチの長身を生かして躍動した。登場から5分後にベルフハイスの右クロスに頭を合わせて反撃のゴール。後半ロスタイム11分には、FKのトリックプレーから劇的な同点弾をマークした。相手の壁の中に入ったウェフホルストにキッカーのコープマイナースが意表を突いて足元へゴロのパスを送る。ボールを受けたウェフホルストが相手選手をうまく手でおさえながら、左足でゴールした。

しかしオランダはPK戦では1人目の主将ファンダイク、2人目のベルフハイスが連続で失敗。こうなると挽回は不可能で、PK戦3-4で敗れた。これまでW杯のPK戦は通算4度。そのうち勝ったのは過去に1度だけで、3度のPK戦負けはスペイン(4敗)に次ぐワースト記録だという。

指揮官は試合後「これが本当に最後だ」と改めて退任の意向を示した。PK戦での敗退は記録上は引き分け扱いとなる。W杯は14、22年の2大会を指揮し、通算12戦目。1度も黒星を喫することなく、去ることになった。