アルゼンチン4部リーグのDFがとんでもない告白をして、国内外に衝撃を与えている。

 英BBC電子版によると、4部パシフィコに所属するDFフェデリコ・アレンデ(26)が地元ラジオ番組のインタビューに登場。試合中に何度か針で相手FWを刺したと告白した。

 事件が起きたのは11日(日本時間12日)のアルゼンチン杯1回戦。1部エストゥディアンテスと対戦したパシフィコのDFアレンデは、相手1点目を決めたコロンビア人FWフアン・オテロ(22)らを針で刺すなどして、プレーを妨害。結局3-2でパシフィコが勝利するという番狂わせが起きた。

 アレンデはラジオの中で「勝つために、選手はクレバーにならないといけない」と主張。「オレはずっとエストゥディアンテスのFWたちを針で刺し続けた。1部のやつらは接触プレーがイヤだろうし、オレたちが時間をかけたり、汚いプレーをするのが嫌いだろう。だからそうしてやった。オレはオテロにも何もさせなかった。やつはオレが憎いだろうね」と自慢げに話した。

 だがパシフィコのモンカダ会長はこれに激怒。地元紙に「我々は打ちのめされている。アレンデの行いは、他の選手の好プレーを踏みにじるもの。絶対に彼を追放する」とコメントし、同DFを解雇することを宣言した。

 パシフィコの選手たちは試合のあったブエノスアイレスから本拠地ヘネラル・アルベールへと戻ると英雄のように迎えられた。だが、その後のアレンデの告白によって、勝利に泥を塗られてしまった。

 スポーツが人々に感動を与えるのは、ルールの中で持てる力を最大限に発揮して競い合うから。ルールを無視してしまったら、試合会場はただの無法地帯になってしまう。このDFには永久追放がふさわしいだろう。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)