アルゼンチンサッカーのレジェンド、ディエゴ・マラドーナ氏(57)がまたやらかした。アルゼンチンが決勝トーナメント進出を決めた26日のナイジェリア戦を観戦中、DFロホが決勝点を挙げた瞬間、我を忘れて大喜び。勢い余って、両手中指を突き立てる、欧米ではもっとも品がないとされている侮辱のジェスチャーをテレビカメラに映されてしまった。

 英インディペンデント紙(電子版)によると、ワールドカップ(W杯)通算10得点を誇る元イングランド代表FWで、現在は解説者も務めるゲーリー・リネカー氏(57)が「彼は別の方法で新聞の紙面を飾った方がいい。これでは笑いものになってしまう」と冷笑。BBCのアナウンサーも「うれしさに酔いしれているのは理解できる。でもこの態度は…。分かってるのか? ディエゴ」とあぜんとした様子で伝えたという。

 今大会のマラドーナ氏はこれ以外にも問題行動を起こしている。アルゼンチン-アイスランド戦を観戦中、会場にいた韓国人のファンから「ディエゴ!」と声援を送られると、何を思ったか両目のはじを指で引っ張り、目を細めるしぐさをした。これは世界ではアジア人を侮辱するポーズとされており、現場にいた英ジャーナリスト、ジャッキー・オートリー氏は自身のツイッターに「明らかに差別的なジェスチャー。目撃した我々はぼうぜんとした」と記した。

 ただマラドーナ氏はこれまでも薬物使用や買春でたびたび名前が挙がり、心臓発作で死にかけ、さらに整形してより中性的な風貌になるなど、ピッチ内外でさまざまなゴシップねたを提供してきた。リネカー氏に「笑いものだ」と言われても、今のマラドーナ氏ってそもそもそれに近い立ち位置なのでは? とも思ってしまう。

 ただひとつ心配なのは、マラドーナ氏はナイジェリア戦を観戦後、興奮しすぎたのかスタジアムのスイートルームでグッタリ。すぐにロシアの救急隊によって看病を受けたという。

 その後、病院に搬送されたという報道もあるが、インディペンデント紙によると、スタジアムでの看病により状態が落ち着き、本人が病院行きを拒否。27日午前にプライベートジェットでモスクワに向かう姿が目撃されているという。何はともあれ、レジェンドはいつまでも健康で、良くも悪くもその姿を我々に見せ続けてほしい。【千葉修宏】