W杯で日本サポーターが試合後、行ったことが世界中で称賛されている。彼らは負けたコートジボワール戦後、失意のどん底にいたにもかかわらず、スタジアムに残り、持参したゴミ袋でごみ拾いを始めた。

 英メトロ紙(電子版)は「class(品格があるの意)」という言葉を使って、その様子を報道。「負けた後にスタンドをゴミだらけにしていくようなファンもいるが、日本のファンは気高い精神で敗戦を受け入れ、スタジアムをきれいにすることで悲しみを和らげていた」と記している。

 一方、スタジアムでいただけない行動をしてしまったサポーターもいる。米ヤフーは13日のメキシコ-カメルーン戦での仰天シーンの動画を掲載。そこには店員のいなくなったスタジアムのビール売り場から、両手に抱えるようにして、好きなだけビールを持ち去ってしまうメキシコサポーターの姿が映し出されていた。

 ヤフーは「ブラジル国内で国際サッカー連盟(FIFA)に対する抗議活動が行われている。だがもっとも成功した活動は、ナタルでのメキシコ-カメルーン戦で行われたものだろう」と皮肉まじりに記している。

 ちなみに、W杯で販売されているビールの値段は5・81ドル(約581円)と4・47ドル(約447円)で、東京ドームで売られている1000円近いビールなどに比べると、個人的には高いとは思わない。「だからちゃんとお金を払え」というつもりもないし、目の前に物が置いてあれば持っていってしまうというのは、海外では頻繁に起こりうることなのかもしれない。

 それでも日本とメキシコのファンを比較すると、自分は、日ごろから日本サポーターのように振る舞いたいと切に思う。だれも見ていないからといって、盗んでしまうのは結果的に罪には問われなくても、果たして自分の心が納得できるのだろうか。サッカーの神様はいると思う。負けてもスタンドを掃除して帰るようなファンがいる国、そのようなサポーターが支えているチームには、必ず勝利が転がり込むに違いない。