レアル・ソシエダードMF久保建英(23)のスペイン6季目も、残すところあと3週間ほどとなった。
チームの目標はシーズンの始まりから変わらず「6季連続の欧州カップ戦出場権獲得」だが、久保の加入以降、リーグ戦5試合を残した同時期においてこれほど苦しんだことはない。22-23年シーズンは勝ち点61で4位、昨季は勝ち点51で6位と好順位を維持した一方、今季は勝ち点42の10位と低迷している。
この状況下でポジティブな点があるとすれば、それはUEFAカントリーランキング(欧州カップ戦に今季参加している各チームの成績でポイントを算出)の関係で、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場枠が5に増えることだ。これにより、リーグ戦の6位と7位に欧州リーグ、8位に欧州カンファレンスリーグの出場権が与えられることになる。
欧州カップ戦の出場権を争うライバルたちの順位は、4位ビルバオが勝ち点60、5位ビリャレアルが勝ち点55、6位ベティスが勝ち点54と、勝ち点を12以上離されているため、追いつくことはほぼ不可能だ。
そのため現実的に狙えるのは7位か8位となるが、そこを射程圏内にしているチームが多数存在する。7位セルタは勝ち点46、8位オサスナと9位マジョルカは勝ち点44。そして10位Rソシエダードの後に、11位ラヨ・バリェカノが勝ち点41、12位ヘタフェ、13位エスパニョール、14位バレンシアが勝ち点39で続いている。
現時点でRソシエダードは7位と勝ち点4差、8位と勝ち点2差のため、可能性はまだ十分に残されているが、残り5試合の対戦相手を見るとまったく楽な道のりではない。ビルバオ(4位)、アトレチコ・マドリード(3位)、セルタ(7位)、ジローナ(16位)、レアル・マドリード(2位)と、上位陣との対決が目白押しだ。
また直近5シーズンのリーグ戦の最終成績を見てみると、7位の平均勝ち点は57、8位の平均勝ち点は53。これらを目標達成のボーダーラインと想定した場合、勝ち点42のRソシエダードが欧州リーグ出場権を獲得するためには最低でも勝ち点15、欧州カンファレンスリーグに出るためには最低でも勝ち点11が必要だ。すなわち、強豪揃いの残り5節で完璧に近い結果を残すという、非常に厳しいミッションに挑むことになる。
しかし、今季は第33節終了時の7位の勝ち点が46と、直近5シーズンで最低だった22-23年シーズンの勝ち点47を下回っている。さらにそのシーズン、最終的に7位の勝ち点が53、8位の勝ち点が51だったことを考えると、ボーダーラインは大きく下がるかもしれない。
シーズンが佳境を迎える中、チーム一丸となって目標達成に向かいたいところだが、不安要素がある。それは、6年以上に渡りチームを率いたアルグアシル監督が今季限りで退任し、Bチームを率いていたセルヒオ・フランシスコが後任を務めることが発表されたことだ。このシーズン途中での重大な決断が残り5節に向け、選手たちのパフォーマンスにどう影響するかは分からないが、次節ビルバオとのバスクダービーの出来が鍵を握るものとなるだろう。
久保の契約は29年まで残るものの、現地では「欧州カップ戦の出場権を逃した場合、クラブが残留を説得するのは容易ではない」という意見が強まっているように感じられ、今季の結果が将来を左右するものになるかもしれない。
はたしてRソシエダードは、大いに苦しんだシーズンを笑顔で終えることはできるのか。皆が団結して残り5試合に全力で臨み、「6季連続の欧州カップ戦出場権獲得」という目標を達成する姿を見てみたい。【高橋智行】(サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」/ニッカンスポーツコム)


