サッカーのみならず、多くの選手が食事面からも厳しく管理を行っている昨今のスポーツ界。しかし、1シーズンでブンデスリーガ1部への復帰を決めたハノーバーは、一味違うようだ。

 元々ハノーバーも、大多数のうちの1つだった。大衆紙「ビルト」によると、2016年4月から今年3月まで同クラブを率いていたダニエル・シュテンデル前監督は、ピッチ外に関することまで細かく規則を定め、チームが宿泊するホテルのビュッフェからチョコレート系の食べ物を完全に排除するなどしていたという。しかし、シュテンデルからバトンを受け継いだアンドレ・ブライテンライター監督は、それに比べてかなり緩いようで、同紙の取材に対してこう話している。

 「朝食でヌテラ(パンに塗って食べるチョコレート風味の甘いペースト)を食べても問題ない。私にとって、それはあまり重要なことではないんだ。ヌテラを食べたいと思ったらヌテラを食べる。我々も人間だから、精神面を考えれば、これは良いことだと思う。もちろん(体脂肪が増加する恐れがあるため)朝食、昼食、夕食のすべてで食べられては困るけれどね」

 また糖分の多い食事だけでなく、飲み物やタバコについても基本的には放任主義。過度な摂取は望んでいないようだが、厳格に“0”と定めてはいないらしい。

 「寝る前にコーラを2リットルも飲んでいるようでは、いつかダメになるだろうが、しかし最も大事なのは、選手がグラウンドでしっかりと機能すること。また、このチームに喫煙者は1人もいないと思うが、喫煙者か非喫煙者かという点も、私の関心事ではない。1日に1箱も吸うようでなければね」

 そんなブライテンライターだが、規則をまったく設けていないわけではない。今月上旬、ドイツ北部ザンクト・ペーターオルディングで行われた合宿中、消灯時間は23時とし、アルコール類も禁じていた。しかしこれらについても同監督は、「選手らは誰一人として、禁止事項のことを質問してこなかった。彼らは非常に高いプロ意識を持っているんだよ」と、選手に全幅の信頼を寄せている。

 だがブライテンライターも言及したように、プロである以上、試合で結果を出すことが何よりも求められる。ファンやクラブ首脳陣が指揮官の政策を吉と見るか凶と見るかは、シーズン開幕後に明らかになる。