プレミアリーグは11日(日本時間12日)に開幕し、FW岡崎慎司(31)が所属するレスターが敵地でアーセナルと対戦する。DF吉田麻也(28)のサウサンプトンは12日にホームでのスウォンジー戦が初戦。昨季はチェルシーが破竹の13連勝などで独走優勝を飾ったが、マンチェスター勢などライバルクラブもオフに補強を進め、王座を狙う。

<展望>

 巨額の放送権収入が競争激化を呼んでいるプレミアリーグ。優勝争いでは「ビッグ6」監督陣のプライドも一層激しく火花を散らす。

 最有力視されるマンチェスター・シティーは、昨季は監督として初の無冠を経験したグアルディオラ監督が400億円規模の補強予算でチーム改造を敢行。マンチェスター・ユナイテッドは24歳のFWルカクが新得点源の重責を担い、モウリーニョ監督は優勝をノルマと捉えているはずだ。両名将と同じ就任2年目にリーグ連覇に挑むチェルシーのコンテ監督は、昨季と違って欧州チャンピオンズリーグと並行した戦いになることもあって「監督キャリアで最も厳しい1年」を覚悟している。

 ポチェッティーノ監督率いるトットナムは、1トップのケインやトップ下のアリら若き主軸の成長が鍵。アーセナルはクラブ史上最高額の約75億円で新FWラカゼットを獲得。退任を望むファンの声が増す中で続投を決めたベンゲル監督の意地がうかがえる。クロップ体制で初の優勝争いが期待されるリバプールは、地元の宿敵エバートンの鼻息も気になる。積極補強でトップ4入りを狙う昨季7位は「心のクラブ」に戻ったルーニーが蘇生すれば、面白い。

 サウサンプトンとレスターを含む第2集団は8位が現実目標。レスターは得点感覚鋭いイヘアナチョを前線に加えたが、今やトップ10争いと残留争いの差は紙一重だ。昇格組には策士ベニテス監督が2部優勝に導いたニューカッスルもいる。上から下まで、プレミアでは今季も油断と予断は禁物だ。(山中忍通信員)