東京オリンピック(五輪)サッカー競技男子の欧州最終予選を兼ねる大会で1次リーグC組の最終節が行われ、ルーマニアとフランスが東京五輪切符を獲得した。勝ち点6同士で争った首位ルーマニアと2位フランスの対決は0-0のスコアレスドローで決着。ともに勝ち点7を伸ばしてA組2位のイタリア(勝ち点6)を上回り、五輪出場権を得られる準決勝への進出を分け合った。

試合が終わった瞬間、フランスの選手たちは輪になって大喜び。この大会には出場していないフランスA代表FWキリアン・エムバペ(20)にも東京五輪に出場する権利が舞い込んだ。98年生まれのエムバペは初来日した19日、都内で「五輪は夢。自分だけの意向で出られるわけではなくチームとの話し合いはあるが、個人的には出場できればうれしいね」と話していた。来年はA代表の欧州選手権もあるため状況は流動的だが、同じ五輪世代の仲間が結果を出したことで、日本でエムバペが見られる可能性が残った。

また、MFハジやFWプシュカシュを中心に今大会魅力的な攻撃を展開したルーマニアも、1次リーグ首位通過を決めてサポーターにガッツポーズした。これで、既に突破を決めていたスペイン、ドイツに続き、東京五輪に出場する欧州の4カ国が確定した。

一方で開催国のイタリアは敗退。チェゼーナ会場でルーマニアが勝つか、フランスが3点差以上で勝たないとイタリアの五輪切符が消滅するとあって、0-0の展開に場内はブーイングに包まれた。結局、そのままスコアレスドロー。1次リーグの2位3チームの最上位国はフランスとなり、イタリアの東京行きがなくなった。

五輪枠を争った後は21歳以下の欧州最強を決める戦いが続く。27日(日本時間28日)に行われる準決勝はスペイン(A組1位)対フランス(C組2位)と、ドイツ(B組1位)対ルーマニア(C組1位)の顔合わせとなった。