タイサッカー協会と監督就任に関して交渉している日本代表前監督の西野朗氏(64)が29日、タイ入りした。首都バンコク付近のスタジアムで、タイリーグのバンコクU-スコータイ戦を観戦した。西野氏のタイ代表監督就任への交渉は大詰めとみられ、契約が合意に至れば、近日中にも発表される見通しだ。

   ◇   ◇   ◇

タイの首都バンコク近郊のスタジアムに、紺色のポロシャツ姿の西野氏がさっそうと登場した。タイ協会が用意した黒塗りの車から降り立つと、現地メディアに一斉に取り囲まれた。日本語で名前を呼びかけられるなど騒然とする中、警備員にガードされてスタンドへ。同国リーグのバンコクU-スコータイ戦を観戦した。

電光石火のタイ入りは、交渉が佳境に入っている証しともいえそうだ。28日は神奈川県内の恩師と会って29日午前に日本を出発したとみられ、早速同国リーグの試合に足を運んだ。西野氏は現地入り前からタイ協会と交渉を進めており、年俸5000万円(推定)を提示されている模様。交渉は大詰めに差し掛かっているとみられ、条件面などが折り合えば一気に合意する可能性も。元韓国代表でC大阪でも指揮を執った尹晶煥氏には家族の問題でU-23タイ代表監督を断られたとの現地報道もあり、西野氏が兼任監督を務めることもあり得るようだ。

タイ協会は、9月開幕のW杯カタール大会アジア2次予選に向け、空席となっている代表監督の選定を進めている。W杯アジア2次予選の組み合わせ抽選は7月17日。西野氏がタイの監督に就任すれば、森保ジャパンが西野タイ、本田カンボジアといった日本を知り尽くす指揮官が率いるライバルと同組となり、7大会連続のW杯出場への壁となりうる可能性もある。