第4節までを終えたプレミアリーグ(一部未消化)では、38試合で144ゴールが生まれた。1試合当たりに換算すると平均ゴール数は3・79点で、過去60年間で最多となっている。

この大量得点の謎について、16日までに、ロイター通信は次のように伝えている。ゴール量産の一方、データ会社「グレースノート」によると1試合当たりのシュート数は22・6本で、これは過去10年間で最低の数字だという。

心理学研究所「インナードライブ」のパフォーマンス心理学者は、リモートマッチ(無観客試合)でフィールドプレーヤーの集中力が上がったことが、大量得点の一因として考えられると分析している。

練習では決まったシュートが試合ではなかなか決まらないように、観衆に囲まれた状態では失敗を恐れて体の反応が鈍る。リモートマッチになったことで、こうした心理的影響の少ない環境下で試合に臨めていることが、パフォーマンスを向上させているという。

また「グレースノート」は、1試合当たりの平均タックル数が昨季から5回減って29回になったと紹介。英国スポーツ研究所のパフォーマンス心理学者は「観客というモチベーションがないと、勝ち目のないタックルをする可能性が低くなる」と分析している。

観客のいないスタジアムは、選手にさまざまな心理的影響を与えているようだ。