強豪ネフチMF本田圭佑(34)が、アゼルバイジャンデビューを飾った。ホームでのリーグ、スムガイト戦で0-2の後半開始から途中出場。日本を含め実に8カ国目となる舞台で、途中出場から本格的な第1歩を記した。

公式戦に出場するのは、ブラジル1部のボタフォゴで負傷し、最後の試合となった、昨年12月19日のコリチーバ戦(アウェー)以来実に約3カ月半ぶりだった。

0-2の後半開始から、追い上げの切り札として投入された。2列目の攻撃的な位置に入って終了までプレーしたが、得点に絡むことなく、0-2でまさかの完敗。デビュー戦でリーグ制覇へ、痛い黒星を喫してしまった。

試合後、本田は自身が最高経営責任者(CEO)を務める会社などによるプレミアム音声サービス「NowVoice」で日本の報道陣の囲み取材に応じた。

主なやりとりは以下の通り。

-アゼルバイジャンのレベル、物足りなさは

本田 戦術ですね。個で見た時は体、能力、悪くない選手もいます。いかんせん、戦術、サッカーへの理解度というか文化ができあがっていないので。Jリーグの良さみたいな部分はなくて、ただでさえヨーロッパは個々の能力に頼ったサッカーをする国が多い中で、ヒヤヒヤ、ヒヤヒヤする部分がありましたね。

-もう少し、割り切って踏み込むという部分は

本田 今日の相手もそうなんですけど、結構ベタ引きになるんです。さばくことはできるし、ミドルシュートを打つこともできるんです。ただ、最後相手が整っているところのサイドを突破するんじゃなくて、狭いところをワンツー、もしくは3人目、出す側じゃなくて、走る側になると、新しい部分だと思うんですよ。ものすごい基本的なところで。ただ、メッシはあのレベルでそれをやり続けているからすごいわけで、シンプル・イズ・ベストですよね。(ブラジル代表DFの)チアゴ・シウバがいて、それをやるかといえば、出す側になって、もっと岡崎がきわどいところに行くという話になるわけですよ。ブラジルと毎回やるなら、そうはしないわけですけど。

-要求していることは

本田 シンプルに、後ろのボランチの選手には俺を見ろと。そういった感じですかね。

-仲間が理解しつつあるという手応えは

本田 どのレベルでものを言うか。高いレベルだと論外。何にもポジティブな話は出ない。ただアゼルバイジャンで、バルセロナではないので。代表選手と練習できたのも1、2回。もうちょっと練習から、ここから、間違いなく、微妙な呼吸は合っていくと思います。

-バクーという街で、何を得ているのか。人としての何かイメージは

本田 ようやくこの話ができる。サッカー選手で、その前に人としてどう生きていくかで意思決定しているので。アゼルバイジャンに行くことに理解できず、批判的にとらえるサッカー関係者の方がいらっしゃるんですけど、すごくいい経験をしています。知らないことばかり。1日1日、知っていっています。知れば知るほど、人間の幅が広がる。点と点が線で結びつく意味があるんです。それが、ずっと日本にいる人には理解してもらえないんです。今後のアゼルバイジャンの行く末は、とか。好奇心でしかないんですけど、人生、サッカーやめてからの方が長いので、日々勉強になっています。幸せそうだけど、大変そうな国でありますね。

-チームでの役割、立ち位置は

本田 監督からは、割と、普段から気を使ってもらって、ありがたいことに、すぐなじむように声も掛けてもらっている。期待されているのは攻撃的なところ。好きに動いていいと。選手からは、一応僕が最年長で、たかだか34歳で最年長って、違和感あるんですけど、カズさんみたいな人が日本にいるので。僕から話しかけるんですけど、向こうから話しかけてくることはあまりないですね。僕から、積極的に話しています。英語しゃべる選手が多いので、やりやすいですね。

-目標の8点への手応えは

本田 自分が目指している得点を達成したことは、1度もないんですよ。そういう意味では悪いクセがついているかもしれないんですよ。だからここで話して、逃げ道を徹底してシャットアウトして、悪いクセを排除したいと思います。頑張ります、期待してて下さい。

-今後、次の挑戦は

本田 そうですね、ちょっと今の段階ではどこでプレーするのか、そもそも現役を続けるのか、まだ発言はしたくない。続ける可能性はありますし、自分が納得できることを、ワクワクする、面白い挑戦をしたいと思っています。ここに来たのは優勝を味わえる、そういう争いに参加できるから。楽しんでいきたいです。

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