マンチェスター・ユナイテッドからウェストハムに期限付き移籍し、活躍中のイングランド代表MFジェシー・リンガード(28)が昨年、サッカーから離れて休暇を取ろうと考えていたことを明かした。

今年1月に撮影されたユーチューブ向けインタビューの中で告白し、その映像が22日に公開された。

リンガードは「サッカーをやめたくなったことはあるか?」という質問に「やめたいということではないけど(サッカーから離れ)時間をとろうとは思ったことがある」と話した。実はリンガードの母親は長年うつ病を患っており、リンガード自身も昨年、まったく試合に集中できない日々が続いていたという。

リンガードは当時の心境について「ベンチに座ってるのがむしろハッピーだった。だって全然試合に集中できないし、ごまかしてプレーしようとしてもダメだったから。でもそんなの僕じゃないよね」と説明。何年も母親の面倒を見ることで疲弊してしまい、自分が自分ではないような感覚に襲われていたという。

ただクラブに母親と自分の状態を正直に打ち明けたことと、新型コロナウイルスがまん延し、英国内でロックダウンが行われた時期の生活が、良い意味での分岐点になったという。外に出ることができないのでジムで一心不乱に走り、部屋では昔のプレー映像を見るなどして徐々に本来の自分を取り戻していった。

今年1月にウェストハムに期限付き移籍すると、ここまで10試合で9ゴールの大活躍。精神的にも回復し「すべてを乗り越え、またフットボールと家族に集中することができる。もちろんこれからも気持ちの浮き沈みはあると思う。でも僕は簡単には諦めたりしないんだ」と話している。