レアル・マドリード所属のブラジル人DFマルセロ(32)がアウェーで行われる欧州チャンピオンズリーグ(CL)準決勝第2戦前日の5月4日、マドリードで行われる地方選挙の投票所での業務の予備スタッフに選出されている。

スペインでは市民が選挙時に働く義務があり、2011年にスペイン国籍を取得したマルセロは今回、無作為に選ばれたため、4日朝8時にマドリード州議会の代表者を選出する選挙の投票所に行く必要がある。

地元紙によると、マルセロはこの通知を受け取った後、該当期間に不参加の申し立てを行わなかったとのこと。一方、クラブはチェルシーとの準決勝第2戦が非常に特別な試合であること、マルセロが試合前日、チームと一緒に移動することが仕事の一環であることを訴え、選挙管理委員会に申し立てを行ったが却下されている。

Rマドリードは選挙管理委員会がマルセロを免除しなかったことに対して、怒りを覚えているという。なぜなら、サッカー選手は新型コロナウイルス対策として、外部との接触を極力避けた隔離された状態に近い生活を送っているためである。もしマルセロが投票所に行った後、チームに合流した場合、ウイルスを持ち込む危険性がある。

マルセロは投票所の業務の予備スタッフであるため、本スタッフが朝8時に出席したことが確認できた場合、その場を離れることができるという。しかし、本スタッフに問題が生じて業務継続が不可能になった場合、マルセロはそれを引き継がなければならないため、マドリード州外に出ることは禁止となっており、常に連絡が取れる状態にしておく必要がある。

ジダン監督は30日に行われたオサスナ戦前日の記者会見でこの件について「それは仕方ないことであり、彼は自分の義務を果たす予定だ。しかし水曜日、彼は我々と一緒にいる」とマルセロがチームと一緒にロンドンへ移動できないことを明言した。

マルセロは選挙当日の夜、もしくはチェルシー戦当日の午前、プライベートジェットでロンドンに向かい、チームに合流することになる。この手の飛行機は通常、ほとんどの航空会社が2時間以内に準備可能であるため、事前連絡の必要はなく、ロンドンへの移動費は約2万ユーロ(約260万円)となっている。

仮りに投票所の本スタッフが欠席した場合、マルセロは1日中、屋内の投票所で業務を行い、何百人もの人々と接触することになるため、新型コロナウイルスの感染防止対策として、チェルシー戦欠場という選択肢も検討されるとのこと。

しかし、メンディが負傷欠場中の現在、マルセロはチェルシー戦に先発出場する可能性が高く、Rマドリードにとって必要不可欠な選手であるため、ジダン監督は何の問題も起こらないことを祈ることになるだろう。(高橋智行通信員)