サッカー日本代表DF冨安健洋(22)がプレミアリーグ、アーセナルへ移籍することが決まった。アーセナルは8月31日(日本時間9月1日)、セリエAのボローニャから獲得したと発表した。背番号は18。英メディアによると4年契約で1年延長のオプションが付き、移籍金は推定1980万ポンド(約30億円)。

冨安が希望していた世界最高峰のプレミアリーグへの移籍を手にした。しかもリーグ優勝13回、FA杯14回、リーグ杯2回の優勝を誇る名門アーセナル。クラブの公式ツイッターで冨安は「チームに貢献するために全力を尽くすことを約束します。スタジアムで会いましょう」とコメントした。

セリエAボローニャではセンターバックのみならず、サイドもこなす守備の中心選手として評価を高めた、昨夏はACミラン、今夏はトットナムなどのビッグクラブが触手を伸ばしたと報じられる中で、移籍市場最終日の「駆け込み移籍」でアーセナルに収まった。しかも移籍金は日本人選手では破格の約30億円だ。

今季のアーセナルは、リーグ開幕から3連敗し、20チームの最下位。チェルシー、マンチェスター・シティーという強豪相手だったとはいえ、3試合で9失点と守備が崩壊しており、立て直しが急務だった。アルテタ監督は「優れた守備力、技術力と冷静さを備えた万能型のディフェンダー。チームの重要な一員となる」と話しており、即戦力の期待がかかる。

プレミアリーグには、ロナウド(ポルトガル代表)がマンチェスター・ユナイテッドへ今夏復帰。加えてチェルシーのルカク(ベルギー代表)、トットナムのケイン(イングランド代表)や、世界的なストライカーがそろう。最高の舞台で研さんを積む冨安のキャリアは、来年のW杯に向かう日本代表にとっても朗報だ。移籍手続きのため、9月2日のW杯アジア最終予選オマーン戦は欠場。名門アーセナルの看板を背負い、7日の中国戦(ドーハ)から合流する。

◆日本人選手の高額移籍金 過去最高額は19年にMF中島翔哉がポルトガル1部ポルティモネンセからカタール1部アルドゥハイルに移籍した際の3500万ユーロ(約43億8000万円)とされる。次いで01年のMF中田英寿で約32億円(ローマ→パルマ)。プレミアリーグへの移籍金としては、今回の冨安の約30億円は異例で、12年のDF吉田麻也が約2億5000万円(VVVフェンロ→サウサンプトン)、15年のFW岡崎慎司が約17億円(マインツ→レスター)、18年のFW武藤嘉紀が約14億3000万円(マインツ→ニューカッスル)、19年のFW南野拓実が約10億7000万円(ザルツブルク→リバプール)だった(金額は当時。いずれも推定)。