マジョルカの日本代表MF久保建英(20)が現在、昨季所属したビリャレアルのエメリ監督が望んだような選手になっていると、スペイン紙アスが評した。

久保は昨季前半ビリャレアルでプレー。リーグ戦出場13試合のうち、先発わずか2試合にとどまり、今年1月ヘタフェに移籍した。それから9カ月近くが経過し、マジョルカは19日にビリャレアルと対戦。0-0で引き分けた。久保は試合終了間際まで出場し、チームの中で高い評価を受けたひとりとなった。

アス紙は久保について「創造性、パス、ドリブル能力などを備えている。エメリは昨季、それを見逃したわけではなく、まだ久保にとってビリャレアルのようなチームに所属するタイミングではなかっただけである。ホームのビリャレアル戦で久保の進歩を確認することができた。厳しい状況の中、久保はあらゆる面で持てる力を発揮した。ビリャレアルのゲームコントロールと相手DFエストゥピニャンの脅威と対峙しながら、相手MFトリゲロスのマークを怠ることなく、全力を尽くす必要があったが、それを忠実に実行した」と評価した。

同紙はボール奪取数が6回だった久保の守備について「久保よりもボール奪取数が多かったのはババとバリエントのみ」と記し、一方の攻撃については「マジョルカが試合の均衡を保った時、久保は際立っていた。彼を介したトランジションでマジョルカは勝利に近づいた」と高評価。久保のボールタッチ数は35回で、パスミスはゼロ。前半終了間際のダニ・ロドリゲスへの決定的なパスを含め、ゴールチャンスを3回演出したと説明した。

同紙は「久保は今、1年前と比べてはるかに優れた選手になっている。ディフェンスをしっかりとサポートし、いつも通り自信に満ち溢れ、プレーが日々効果的になっている。もし今、ビリャレアルに所属していたら、エメリとの間にあったサッカー面に関する不和は何もなかっただろう」と分析。久保がわずか1年でビリャレアルのように欧州チャンピオンズリーグに出場しているクラブでも十分やれる選手にまで成長していると強調した。(高橋智行通信員)