アイントラハト・フランクフルト(ドイツ)がホームでウェストハム(イングランド)に1-0で勝利し、2戦合計3-1で決勝に進出した。前身のUEFAカップでの79-80年シーズン以来、42季ぶりの決勝となる。MF鎌田大地(25)はフル出場し、自陣からのロングパスで相手選手の退場を誘発した。MF長谷部誠(38)はベンチ入りしたが出番はなかった。日本選手の決勝進出は、01-02年フェイエノールト(オランダ)の小野伸二、17-18年マルセイユ(フランス)の酒井宏樹以来。18日の決勝でレンジャーズ(スコットランド)と対戦する。

先勝したEフランクフルトはウェストハムに押し込まれる苦しい流れだったが、鎌田のパスが状況を一変させた。前半17分、自陣内でボールをキープすると、相手ペナルティーエリア手前までロングパス。受けた味方選手が倒され、相手は一発退場。初戦の勝利に加え、数的優位となった。このアドバンテージを生かし、同26分に右サイドの崩しから、最後はクロスボールにFWボレが右足で合わせて得点した。

2列目に入った鎌田は、その後も落ち着いたボールさばきで攻撃のつなぎ役となった。相手のセットプレーをはね返し、最後まで得点を許さず試合終了。鎌田は第1戦では決勝ゴールも決めており、大車輪の活躍だった。試合後は自身のツイッターを更新。「歴史を作るよこの素晴らしいチームとファン達と」という言葉とともに、選手たちが勝利に喜ぶ様子を投稿した。

順風満帆ではなかった。昨季はリーグ5得点15アシストと好成績。指揮官が代わった今季は自身の小さな負傷もあり、4得点2アシストにとどまっている。しかし欧州リーグは今大会12試合5得点と得意としており、準決勝の2試合も存在感を発揮した。グラスナー監督も「レッドカードで試合にうまく入れ、素晴らしいゴールを決められた」と鎌田の仕事を評価した。

試合終了のホイッスルが鳴ると、スタジアムに訪れた約5万1000人のサポーターがピッチになだれ込む騒ぎに。数人がゴールによじ登り、クロスバーがゆがむほど。次はスペイン・セビリアが舞台。フェイエノールト所属の小野に続く日本人の欧州カップ戦優勝へ、鎌田が再び躍動する。