【マドリード=高橋智行通信員】レアル・ソシエダードMF久保建英(21)が来季は世界最高峰の舞台、欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場する権利を得た。

前節アルメリア戦で決勝点を記録してMVPに輝いた久保は2試合連続の先発出場。マジョルカ時代の昨季、チームを勝利に導く貴重ゴールを決めた相性の良いアトレチコ・マドリードのスタジアムで、4-3-3の右ウイングでプレーした。

前半立ち上がり、チームがボールをキープする中、久保はいつも通り右サイドに大きく開き攻撃を仕掛けるタイミングをうかがうも、Aマドリードがシステムを5-3-2から5-4-1に変更し、普段よりも守備的に戦ったことで簡単にやらせてもらえなかった。

時間の経過とともに相手に主導権を握られ、久保は守備に追われる時間が増えていった。その状況を打開するため時折ドリブルを試みるが、相手の厳しいチェックに遭い、突破口を見出せなかった。

久保は後半も右ウイングでプレーし、前半よりも攻撃の組み立てに参加したが、試合を通じてチームがAマドリードに苦しめられたことで、前半同様、楽にプレーさせてもらえず、26分にカルロス・フェルナンデスとの交代でピッチを去った。堅固な守備を誇る相手にシュートを1本も打たせてもらえず、最近の試合に比べ存在感を発揮できなかった。

本来のプレーを見せられなかった久保だが、アウェーで強豪相手とあって、この日は守備を重視したチームの戦い方が影響したようだ。試合後、久保はこう説明した。

「監督のプラン通りに僕は動いただけなので。もっと仕掛けようと思ったら仕掛けられましたけど、今日は前半は0-0で、仕掛けなくていいってことだったので。無理につながずにボールは蹴るとこは蹴ってしっかり守ってっていうところだったので。自分勝手なプレーをしようと思ったらできましたけど、まあ、調子がいい中でも、やっぱチームのために頑張れて良かったかなと思います」

チームは1-2で敗れたが、5位ビリャレアルがラヨ・バリェカノに敗れたことで4位の座を確保し、12-13年以来10季ぶりとなる来季の欧州CL出場権を獲得した。