マンチェスターC(イングランド)の司令塔、ベルギー代表MFケビン・デブルイネ(31)がまたも悲劇に見舞われた。

初優勝を目指し、開始3分でノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(22)への鋭い縦パスを通すなど序盤から全開だったが、前半30分に差しかかるころ右太もも裏を気にして座り込んだ。

ジョゼップ・グアルディオラ監督(52)が“無理するな”というジェスチャーで心配し、MFフィル・フォーデン(23)にユニホームへ着替えるよう指示を出す。デブルイネはプレーを続行したが、同35分に相手ゴールラインまで攻め上がった後に右手を挙げて、自ら交代を要求。今季プレミアリーグで16アシスト(1位)をマークした絶対的存在が、大舞台で36分に無念の交代となり、ハーランドやギュンドアンに慰められながらピッチを後にした。

悪夢、再び…。欧州CLの決勝で負傷交代するという悲劇にまた見舞われた。2年前のチェルシー(イングランド)との決勝(0-1)でも相手DFと衝突して顔面を負傷。プレーを続けられず、試合翌日にツイッターで鼻骨と左眼窩(がんか)の骨折だったと明らかにしていた。

世界中にファンの多い選手だけに、ツイッターの日本トレンドランキングも、長く「デブライネ」が1位に。「さすがに不憫(ふびん)…」「悲しい」「得点の匂いしなくなった」「呪われてるとしか思えない」「ちょっと同情するわ」「つまらなくなった」「ずっと放心」「セットプレーの怖さ半減」など惜しむつぶやきが相次いだ。

0-0で折り返し、後半に入っても「ハーランドくん、デブライネがいなくなってから迷子」「こうも停滞するのか…」「セットプレー全部ダメやん」や、試合途中に目覚めたとみられるファンから「けが!?」など、驚きと不在を嘆く投稿も目立った。

しかし、マンCは後半23分、右からの折り返しに中央へ走り込んだスペイン代表MFロドリ(26)が右足で先制弾を決め、ベンチに下がった大黒柱へ歓喜を届けた。昨季まで、先制していたチームが8年連続で頂点に立っていた欧州CL。今年もマンCが勝った。

デブライネは終盤、テクニカルエリアまで出て鼓舞し、表彰式では最前列の左端に立って金色の紙吹雪を満喫した。その後はグアルディオラ監督と肩を組み、英ロックバンド、クイーンの「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ」を笑顔で口ずさんだ。

決勝こそ失意の交代となったが、大会を通してはランキング1位の7アシストを記録し、優勝杯「ビッグイヤー」獲得に貢献した。