【マドリード=高橋智行通信員】アトレチコ・マドリード(スペイン)がホームでトットナム(イングランド)に5-2で快勝し、準々決勝進出に大きく前進した。2得点のFWフリアン・アルバレスがMVPに選出された。トットナムは前半立ち上がりの度重なるミスが高い代償を払うことになった。勝敗が決する第2戦は、8日後の18日にトットナムのホームで開催される。
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Aマドリードはホームで行われた直近の公式戦20試合で17勝を挙げている。欧州CL1次リーグを14位で終えた後、プレーオフでクラブ・ブルージュを破り、このラウンドに勝ち上がってきた。スペインリーグは3連勝中で3位につけ、国王杯では準決勝でバルセロナを破って決勝進出を決め、好調を維持している。
シメオネ監督は負傷中のロドリゴ・メンドーサを除く全員を起用できるほぼ万全の状態の中、3日前のレアル・ソシエダード戦からスタメン6人を変更。システムは4―4―2で、グリーズマンとフリアン・アルバレスが2トップを形成した。
トットナムは1次リーグ4位、決勝トーナメントにストレートインと絶好調。その一方、プレミアリーグは5連敗でここ11戦勝利なく、降格圏間近の16位低迷している。さらに、ウドギ、ベリバル、クドゥス、ベンタンクール、クルセフスキ、マディソン、オドベール、ベン・デイビスと多数の負傷者を抱えている。
この厳しい状況下、先月からチームを率いているトゥドール監督は、5日前のクリスタル・パレス戦から先発4人を入れ替えて3-4-3で臨んだ。センターフォワードのリシャルリソンがスタメン復帰し、1月までAマドリードに所属していたギャラガーはベンチスタートになった。
試合はスタンドがAマドリードカラーの赤白青に彩られ、開始前の雨でピッチがスリッピーな状態でスタート。63年の欧州カップウィナーズカップ決勝以来、通算2度目となった両チームの対戦。は前半、シメオネ監督就任以降、ホームでの欧州CLの決勝トーナメント(19試合13勝6分け)で10年以上にわたって無敗を誇るAマドリードが、相手のミスを存分に生かす展開となった。
キックオフからハイプレスをかけていき、グリーズマンを中心とした攻撃陣が機能。そして前半6分、GKキンスキーが滑ってキックミスを犯したボールをルックマンが奪い、フリアン・アルバレスのアシストからジョレンテが先制点を記録した。
続く14分、今度はファン・デ・フェンがバックパスを受けようとした際に転倒。このボールを拾ってゴールまで持ち込んだグリーズマンが冷静に2点目をマークした。その1分後、今度はキンスキーがバックパスの処理をミス。これをフリアン・アルバレスが奪い、開始15分で3点差にした。
トゥドール監督はこの直後、痛恨のミスが続いたキンスキーを下げる決断を下すも、状況は変わらない。22分にFKのプレーからル・ノルマンがヘディングシュートを決めた。
非常に厳しい状況に陥ったトットナムだが、ロンドンから駆けつけたサポーター3000人の後押しを受けて諦めずに戦い、26分にペドロ・ポロがペナルティーエリア内で個人技を発揮し、1点を返した。
それ以降、Aマドリードが落ち着いてゲームをコントロールしてルックマンやジョレンテが追加点を狙いにいき、ハーフタイムを迎えた。
トットナムは悪い流れを断ち切るため、後半開始時に攻撃陣を2人入れ替えて反撃に出た。そして10分にCKからリシャルリソンが強烈なヘディングシュートを放つも、オブラクにファインセーブされる。Aマドリードはそのボールを正確につなぎ、フリアン・アルバレスが自陣からドリブルを仕掛けて相手ペナルティーエリア内に侵入し、GKビカーリオとの1対1に勝利して、5点目を記録した。
4点のビハインドを負ったトットナムは反撃の糸口を探し続け、31分にオブラクのパスミスをカットし、ソランケが強烈なシュートで1点を返した。
それ以降は両チームに決定機は訪れず、5-2のスコアでAマドリードが押し切った。
試合後、シメオネ監督は、2得点でMVPに輝いたF・アルバレスについて問われると「ゴールを決め続け、幸せそうに見える。彼がこれまで所属したチームの中で、ここで最も多くのゴールを決めている。彼は献身的で非常にポジティブであり、再び本来あるべき姿に戻っている。昨季と今季で得点数に差はない。彼に満足しているし、長くアトレチコに在籍してほしいと思っている。重要な選手たちが残留したいと思うような良いチームを築けることを願っている」とコメントした。

