RマドリードMFクリスティアーノ・ロナウド(24)が、入団初日から伝説をつくった。6日夜(日本時間7日)に本拠地サンティアゴ・ベルナベウで入団会見が行われ、「満員御礼」となる8万人のサポーターが集結。6月30日のカカの5万人、84年ナポリ入りしたマラドーナの7万5000人を上回り、史上最多のお披露目式となった。ディステファノ名誉会長、ポルトガルの英雄エウゼビオ氏が見守る中、背番号9のユニホームに身を包んだC・ロナウドは「子どものころからの夢がかなった」と感極まっていた。(春日洋平通信員)

 C・ロナウドへの期待の表れだった。6日午後9時の入団セレモニーに、サポーターは12時間前の午前9時からサンティアゴ・ベルナベウ(8万200人収容)の外に列をつくった。午後には長蛇の列ができあがり、午後8時40分には「満員御礼」の札止め。それでも外には1万人以上があふれかえった。史上最高の移籍金8000万 ポンド (約128億円)でマンUから移籍。「C・ロナウド人気」は、予想をはるかに上回るものだった。

 視線を一身に浴び、C・ロナウドは笑顔を振りまきながらピッチに登場した。背番号9のユニホーム姿でペレス会長、ディステファノ名誉会長、エウゼビオ氏と抱擁し、壇上でマイクを握った。スタンドからの「クリスティアーノ!」コールを受けると、しばらく目頭を押さえて黙り込んだ。そして高ぶる感情を押し殺すように、慣れないスペイン語で話し始めた。

 C・ロナウド

 こんばんは!

 旧友と話すような感覚であなたたちに告げたい。僕はここに立っていることをとても幸せに思う。レアルの選手になれたことで、少年時代からの夢がかなった。さぁ行くぞ~、1、2、3、アラ(がんばれ)、マドリード!

 たった1選手の入団に、これほどのファンが集まった例はない。00年フィーゴ、01年ジダン、03年ベッカムの時は記者会見だけだったが、最近では07年にバルサ入りしたアンリの3万人、昨年ミラン入りしたロナウジーニョの4万人、そして6日前のカカの5万人を大きく上回った。さらには、84年にマラドーナがナポリ入りした時の7万5000人という「伝説」までも塗り替えてしまった。

 新背番号「9」は、56~60年に欧州5連覇を達成したディステファノ名誉会長が付けた数字だ。さらに元ブラジル代表ロナウドと同番号ながら、「C」を外した「RONALDO」の文字を記した。ロナウドはもう自分しかいない、という強い自負。チームの期待を背負った男は「巨額の投資をしたレアルは正しい。損はさせない。自分が証明してみせる」と意気込んだ。

 [2009年7月8日8時40分

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