<クラブW杯:バルセロナ3-1アトランテ>◇16日◇準決勝◇UAE・アブダビ

 欧州王者バルセロナ(スペイン)が途中出場したFWリオネル・メッシ(22)の決勝ゴールなどで、北中米カリブ海王者アトランテ(メキシコ)に3-1と逆転勝ちした。守りを固める相手に苦しんだが、1-1で迎えた後半8分から右足首負傷を押して出場したメッシが勝ち越しゴールを決めて、今年のバロンドール(世界最優秀選手)の実力を証明した。19日の決勝で南米王者エストゥディアンテス(アルゼンチン)と対戦する。

 メッシがピッチに足を踏み入れた瞬間、会場の空気が変わった。わずか2分後の後半10分、ゴール前のスペースに走り込むと、FWイブラヒモビッチのパスに左足を振り抜いた。ボールはGKの右腕をはじき飛ばしてゴールへ。10人守備でスペースを消す「バルサ・シフト」とファーストタッチで粉砕する勝ち越し弾で、チームを勢いづかせた。

 3点目もメッシが演出した。サイドでパス要求して相手DFの意識を引きつけ、逆サイドのMFイニエスタからパスを受けたFWペドロが決めた。9日の欧州CLディナモ・キエフ戦で右足首を痛め、出場すら危ぶまれていたが、その影響はまるで感じさせなかった。自らの得点には「ラッキーだった。パスが良かったよ」と事もなげに言ったが、グアルディオラ監督は「チームに戦う血を流し込んだ。やはり世界最高の選手だ」と絶賛。アトランテのクルス監督は「別の銀河からやってきたようだ」と脱帽した。

 110年のクラブの歴史で唯一獲得していない「世界一」のタイトルにあと1勝に迫った。06年は決勝でブラジルのインテルナシオナルに0-1で惜敗。その大会にメッシは故障で出場できなかった。それだけに勝利への気持ちは強い。「右足首が痛かったけど、決勝までは時間がある。あと1つ。歴史をつくるための重要な試合になる」と意気込んだ。

 [2009年12月18日9時27分

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