<Vプレミアリーグ男子:サントリーサンバーズ3−0JTサンダーズ>◇21日◇函館市民体育館

 JTは3シーズンぶりのファイナルラウンド進出の望みを絶たれ、選手たちはうなだれた。「残念の一言しかありません…」と徳元幸人。途中出場の尾上健司も「流れを変えられなくて、悔しいです」と唇を噛んだ。

 ファイナルラウンド進出を逃した要因は「1つではない」とゴードン監督。選手たちもさまざまな要因を挙げた。その1つが、サーブとサーブレシーブの弱さ。サーブ効果率は現在8チーム中最下位、サーブレシーブ成功率も7位に沈んでいる。守備の要であるリベロ・酒井大祐が昨年11月にけがを負い、離脱したことが大きかった。

 また、主将の前田悟は「劣勢になった時の精神的な部分が弱かった」と言う。前田の言うところは、この日のサントリー戦にも表れていた。「サントリーのムードに負けた」と前田。小川も「最初はよかったが、後半相手の雰囲気にのまれてしまった」と振り返った。

 敗れた時点で4強入りがなくなる崖っぷちの状況で、JTは必死だったはず。しかし気持ちは前面には出なかった。第1セットは、一時は5点差をつけてリードしていたが、1位通過のかかるサントリーが、セット終盤、集中力を高めてたたみかけてくると、そのプレッシャーを押し返すことができなかった。コンビにズレが生じたりミスが出るなど、コートに余裕がなくなった。

 シーズン後半、4強入りのライバルとの直接対決など、勝負どころの試合をものにできなかったことが成績に響いた。

 就任1年目のゴードン監督は、「JTの雰囲気を変えようとしてきたし、変わってきたと思っていた。厳しい状況になっても、戦って、乗り越えられるようになったと思った。でも、また以前の状況に戻ってしまっている」と語った。

 勝負どころの1点、1セット、1試合をものにするために。来シーズンへ、大きな宿題が残った。