女子5000メートルで初出場の鈴木亜由子(23=日本郵政グループ)が、30日の決勝に進出した。予選2組で15分28秒18の6着だったが、各組6着以下のタイム順で上位5人に入った。同1組の尾西美咲(30=積水化学)も15分33秒84の6着ながら予選を通過。日本勢2人の決勝進出は09年ベルリン大会(小林祐梨子、中村友梨香)以来3大会ぶり。

 身長154センチの体に残るエネルギーを振り絞った。鈴木は4番手で最後の直線に入った。自動的に決勝進出が決まる5着以内を狙って、手足を動かす。「最後は早くゴールしたい一心でした」。2人に抜かれて6着だったが、タイムに拾われての決勝進出だ。

 「できれば5着で、と思ったけど、決勝を目標にしていた。悔いの残らない走りをしたいと思って臨んだ」。名古屋大経済学部出身で社会人2年目。決勝で8位入賞すれば、リオ切符を手にする。同種目の入賞は97年アテネ大会の弘山晴美(8位)ただ1人で簡単ではない。鈴木は「自分が満足できる走りができれば、順位は何でもいい。自己ベスト(15分14秒96)に近い走りをしたい」。無欲で強豪たちに挑む。

 ◆鈴木亜由子(すずき・あゆこ)1991年(平3)10月8日、愛知県生まれ。時習館高-名古屋大から昨春に日本郵政グループ女子陸上部創部メンバーに。13年ユニバーシアード1万メートルで金メダル。実家は「鈴木米穀店」を営む。154センチ、39キロ。