04年のアテネ大会以降、五輪での出場が途絶えている男子走り幅跳び界に大学1年生のホープがいる。橋岡優輝(18=日大)は5月の関東学生対校選手権で日本歴代12位タイとなる8メートル04の大ジャンプで、世界選手権(8月、ロンドン)の参加標準記録へあと11センチに肉薄した。

 日本勢の20歳以下での8メートル超えは、3人目の快挙。自己ベスト7メートル75だった高校時代から急速に記録を伸ばしている。日本選手権に向けて、参加標準記録8メートル15を「出したいでなく、出します。確実に超えていきたい」と言った。

 父利行さん(53)は棒高跳びで日本選手権5連覇を含む7度優勝、母直美さん(48)も100メートル障害で高校総体3連覇など幅広い競技での実績を持つ。大会後は家族が撮影したビデオを見て、助走や跳躍などの修正点を細かく確認するのが日課。「感覚の中で分からなかったことが、客観的に見ることで分かることもあるんです」。受け継がれた才能だけでなく、あくなき向上心が成長を下支えする。

 目標は高い。「将来は8メートル50くらいまではいけると思っています」。リオ五輪優勝が8メートル38。この日本選手権を世界へ羽ばたくステップとする。【上田悠太】

 ◆橋岡優輝(はしおか・ゆうき)1999年(平11)1月23日、東京・小平市生まれ。さいたま・岸中から陸上を始める。八王子学園八王子高から本格的に走り幅跳びに専念し、3年時は高校総体、国体、日本ジュニア選手権と高校3冠を達成。183センチ、75キロ。